地震に強い家づくりの鉄則 建てる前、建てた後の対策を伝授
- 2016/2/12
- ハウジング
日頃からのメンテナンスが大切
地震、津波、台風など自然界がもたらす災害は、いつ起こるか予想がつきません。もしもの時に備え、意識を持ち続けることが大切。今回は新築・既存の木造住宅での地震対策について紹介。和歌山県建築士会耐震診断・判定委員会委員長の柳川廣美さんに伺います。
日頃から耳にする「耐震構造」。どのような構造をいうのでしょうか。
「耐震とは、揺れに対して建物が倒壊しないように筋交いなどで変型を防ぐこと。他にもダンバーなどで建物の振動を制する制震、装置を使って建物と地盤とを切り離す免震があります」と柳川さんは説明します。
家を建てる際、最低限守らなければならない基準は、「建築基準法」で定められています。さらに耐震性を高めるためには、屋根材の軽量化や壁と窓のバランスの見直し、耐震等級を高めるなどの手段もあります。
では、既存の木造住宅の場合はどうでしょう。
県では、各市町村に耐震相談の窓口を設置。昭和56年5月以前に建設された木造住宅に住んでいる人は、市町村に申し込みをすれば、専門家の無料診断が受けられます。
また、診断結果から、耐震補強が必要となると耐震補強設計費が3分の2(上限13万2000円)、耐震改修費の一部(上限60万円と国から最大56万5000円)が補助されます(平成27年度)。
和歌山市では、65歳以上の人だけの世帯など、一定条件を満たしていれば、家具転倒防止用固定金具の無料取り付けを行う事業も実施されています(27年度)。
柳川さんは「重い荷物を2階に置くと1階にかかる力が大きくなるので2階の荷物を軽くすること、家具などは固定することがおすすめ。気になる部分があれば定期的にチェック。メンテナンスが大切です。行政などが行っている無料診断などを活用し、専門家に相談を」とアドバイス。
この機会に一度、チェックしてみては。