地域を変える! サテライトやシェアオフィスからビジネス創出へ
地元企業が運営するオフィス施設
- 2025/4/10
- フロント特集
多様な働き方が求められる現在、本来のオフィスとは離れた場所で仕事ができる「サテライトオフィス」などの施設が増加しています。今号は地元企業が運営する4施設を紹介します。
“働く”時間・場所を有効に活用
地元企業が運営するオフィス増加
国が推進する働き方改革。少子高齢化、感染症の流行などを背景に、企業や個人の間で、時間や場所を有効に活用する柔軟な働き方が広がりを見せています。
特に2020年以降、テレワークが普及したことで、本社や支社と離れた場所にある小規模なワークスペース「サテライトオフィス」が増加。それに伴い、複数の企業や個人が作業スペースを共有する「シェアオフィス」、同じ作業スペースでもコミュニティーの形成を軸とする「コワーキングスペース」などができ、需要が高まっています。
また、地方にとってサテライトオフィスなどの設置は、人口の増加や雇用の拡大、新たなビジネス創出のチャンスでもあることから、誘致の動きが活発化しています。
記事では、地域活性化の担い手として、地元企業が運営する本業とは少し異なる業態の施設(オフィス)を紹介。どんな特徴があり、どのような人たちが利用しているのかなどを伝えます。
Key Site(キーサイト)

フリーアドレスの席が55席ある広々としたコワーキングスペース(3階)
スタートアップと地域をつなぐ
元銀行の店舗ビル、全館を活用
紀陽銀行など3社が企画・運営する複合施設「Key Site」が、3月27日にオープン。同行の旧宮北ビルを活用して、スタートアップ、起業家、学生、地元企業をつなぐ拠点として動き出しました。
5階建ての施設には、イベントスペース、コワーキングスペース、会議室、レンタルオフィスの他、同行のスタートアップ向け相談窓口が設けられています。また、1階にはカフェを併設し、コーヒーと軽食を提供。ビジネス以外の目的でも利用することができます。
同行スタートアップ支援室・上畑健太さんは、「人口や企業の減少といった課題解決と地域貢献を目的にできた施設です。創業セミナー、起業家同士の交流イベント、地元企業のDX支援など、あらゆるニーズに対応できる機能も備わっています。県内で起業する人が増え、相乗効果で地域経済の成長につながればと考えています」と話しています。

カフェイン量が選べるコーヒーを楽しめる「ノットカフェ」【1階】

地元の特産品を扱うショップ「ノットマルシェ」も併設

紀陽銀行オフィスでスタートアップ支援を担当する上畑健太さん(左)と竹川春菜さん(右)【4階】

イベントスペースは、コワーキングスペースとしても利用可【2階】

“コミュニティマネージャー” が常駐
電話番号 | 080(2263)8906 |
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住所 | 和歌山市黒田185-3 |
営業時間 |
1・2階 3階 |
定休日 | 土・日曜、祝日(1・2階) |
駐車場 | あり |
料金 | コワーキングスペース一般利用1人1日1100円、学生550円など |
ホームページ | https://kiyo-keysite.com/ |
新しい働き方・暮らし方。未来を想像するコミュニティー
MANPA RESORT OFFICE(マンパリゾートオフィス)

カウンタータイプのおしゃれなコワーキングスペース
海の絶景と癒やしの温泉がセット!
仕事と休暇を両立サせた令和の働き方
日本遺産に認定された絶景の和歌浦に位置。パノラマの海景色が自慢の宿「和歌浦温泉 萬波MANPA RESORT」が運営。海に面した2階をおしゃれに大改装して、ワーケーションに最適なサテライトオフィスにしています。
目の前には太平洋の大海原が広がり、館内には癒やしの天然温泉も完備。まさにバケーションの全てがそろう空間。これぞ令和、働き方の多様化です。オフィスは7部屋、そのうち4部屋は女性専用ゾーンでセキュリティーも万全。カウンタータイプのコワーキングスペースも設けられており、どちらもカードキーで出入りすることができます。
「関東地域では定着しつつあるワーケーション。和歌浦にとっても可能性を秘めた新たな取り組みです。目標は滞在型の交流人口として、県内外からファンやリピーターを増やすこと。和歌浦は景観と歴史にあふれ、撮影スポットも多く、今後はユー・チューバーやコスプレイヤーの人にもご利用いただきたいです」と担当の高橋さや香さん。

豪華な装飾を施したミーティングルーム

景観が魅力の一つサテライトオフィス

高橋さや香さん
電話番号 | 073(444)1161 |
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住所 | 和歌山市新和歌浦2-10 |
営業時間 | 午前11時〜午後9時半 |
駐車場 | あり |
料金 | コワーキングスペース1人1日3300円(宿泊者は1100円)など |
ホームページ | https://www.manpa.co.jp/office/ |
Work&StudyIDEA(ワークスタディーイデア)

広く開放的なコワーキングスペース
県内初の総合eスポーツ施設が併設
夏に向けてカフェ計画も本格始動!!
地域住民の足として人々の暮らしを支えるユタカ交通のグループ会社「befriend(ビーフレンド)」が運営。場所はJR和歌山駅から徒歩約10分の場所に位置しています。
1階がガラス張りのコワーキングスペース。個別のテレワークブースと会議室もあり、コワーキングスペースは最大29人が入れるセミナースペースとしても貸し切り可能です。2階にはサテライトオフィスが4部屋あり、各部屋、机・椅子・キャビネット完備。すぐに事務所として利用できます。
広報担当の光永茉白さんは「立地に加え、県内交通網のネットワークを生かしたビジネスサポートが最大の利点。企業進出や支援、ビジネスパートナーの紹介など相談窓口も設けています」と話します。
さらに地元利用者を増やすため、夏に向けてカフェの開設計画も始動。3月にはスペースの一部を「eスタジアムサテライトスタジオ和歌山」として開放。メタバースを活用した観光DX事業の一環として、総合eスポーツ施設が併設されています。

さまざまなゲームが楽しめるeスタジアム

落ち着いた雰囲気のサテライトオフィス
電話番号 | 073(422)5538 |
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住所 | 和歌山市中之島2287 |
営業時間 | 午前9時〜午後6時(セミナー開催時などは午後9時まで) |
定休日 | 土・日曜、祝日 |
料金 | コワーキングスペース1人1日1100円など |
ホームページ | https://yutakagroup.wixsite.com/idea |
kinowa

和歌山の自然をイメージしたコワーキングスペース
和歌山市駅から徒歩5分の好立地
都市部からの移住・定住・雇用の拡大
幅広い不動産ニーズに対応する「アズマハウス」が運営。利点は南海電鉄和歌山市駅から徒歩5分という立地。賃貸部・部長の久保良平さんは、「大都市圏に拠点を置く企業の和歌山市への進出を促し、都市部からの移住・定住や雇用拡大につなげたいという思いから誕生しました」と。ワカヤマ第2冨士ホテルの2階を大改装し、2022年にオープンしました。
「和歌山の海と山」をコンセプトに、抜群のデザインセンスとカラーリングで、働く人のベストコンディションを引き出す空間を演出。オフィスは5部屋あり、床や壁などそれぞれテーマが異なります。現在、部屋は満室。入居者は全て東京や大阪など都市部に拠点を置く企業が入っています。
久保さんは「総務省が推進する宿泊対応型のお試しサテライトオフィス事業にも適した、ビジネスホテル併設の強みを生かし、都市部の企業や個人が地方でのテレワークを試行しやすい環境を提供していきたいと考えています」と話しています。

木の温もりを感じるエントランス

ゆったりとくつろげるフリースペース
入居者の声
業務系ソフトウエアの開発・販売・保守を行う企業「エコービジネスソフトウエア」(本社=大阪市)の和歌山オフィスとして活用。所長の坂田興生さん(写真)は「事業拡大のため営業を強化。基本はリモートでどこででも仕事はできますが、和歌山の場合は対面営業を重視。信頼関係を構築しやすく、より深いコミュニケーションをとることができます。
また、要望により迅速な対応で満足度も向上。事業拠点があることで無駄な時間やコストを削減し、効率的な営業活動が実現します」と話してくれました。
電話番号 | 0120(801)406 アズマハウス |
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住所 | 和歌山市湊紺屋町1-20ワカヤマ第2冨士ホテル2階 |
備考 | ※満室(フリースペースの開放はなし) |