美しき日本武道「なぎなた」
スピードや技の駆け引きに注目
来年開催の「紀の国わかやま国体・大会」に向けて、女性アスリートを取り上げるコーナー。第2回は、日本古来の武道の一つ「なぎなた」です。
全長約2メートル25センチのなぎなたを使用して、「演技」「試合」の2種目を競う「なぎなた競技」。演技競技は、2人1組の演技者が決まった形を披露し、いかにうまく正確に形を表現できるかを競う種目。一方、試合競技は、定められた部位を確実に早く打突し勝負を競う種目で、スピードや巧みな技の組み合わせが見どころです。
このなぎなた競技で活躍を期待されているのが、山本千代選手。妹の山内綾選手(和歌山県立紀北支援学校所属)とペアを組み、10月に行われた長崎国体で演技・試合競技ともに2位と優秀な成績を収めました。
また、山本選手は和歌山に3人しかいない錬士(武道における3番目の称号)の一人。全日本選手権や世界選手権など、国内にとどまらず、海外でも活躍しています。
山本選手がなぎなたを始めたきっかけは母親の影響とのこと。「母がなぎなたの指導をしていたので、いつ始めたのか覚えていませんが、本格的に始めたのは中学2年生から。友人に『なぎなた部に入ろう』と誘われて、私もやろうかなと思いました(笑)」と、意外なエピソード。
現在は、和歌山県庁に勤めながら、練習に励む日々。特に最近は、フォルテワジマ内にあるみらい医療推進センターげんき開発研究所で、体幹トレーニングや筋トレで下半身強化に取り組んでいます。「なぎなたは裸足で攻撃をしたり、防御したりするので意外と下半身を使用するんですよ」と山本選手。ほぼ毎日練習に励んでいるそうです。
また、一児の母でもある山本選手は、出勤前や帰宅後に家事や育児をこなし、忙しい日々を過ごしています。「夫の実家が近く、家事は協力してもらっていて助かっています」とのこと。
一つ一つの動きに凛(りん)とした美しさが感じられる演技競技、巧みな技をすばやく繰り出す試合競技、ともに迫力のあるなぎなた競技に注目です。最後に、山本選手は「演技、試合ともに優勝をし、総合優勝に貢献したいです」と、熱い闘志を見せてくれました。
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