モノクロ写真でよみがえる郷愁の情景
70年近くにわたって和歌山市和歌浦を舞台に写真撮影を続けている、写真家の松原時夫さんの初めての写真集「水辺の人」が2月3日に道音舎(和歌山市吉礼)から発売されました。
松原さんは1940年和歌浦生まれ。11歳でカメラを手にし、日本写真映像専門学校卒業後は、同校の教師として勤務した後、27歳から和歌浦の生家で写真店を営んできました。ライフワークとして、現在も和歌浦を舞台にした作品づくりを続けています。
「水辺の人」は、1955~69年の田ノ浦、雑賀崎をはじめ、かつて栄えた不老橋付近でのノリの養殖の様子など、水辺で暮らす庶民の姿を捉えたモノクロ写真で構成されています。
道音舎は文字や画、書籍の形態に向き合いながら、編集者とデザイナーが丁寧に書籍づくりをしてきました。これまで2冊の写真集を発刊し、国内外で販売。「日本ブックデザイン賞2019」では、太田徹也賞特別賞とブックデザインパブリッシング部門の銀賞に選ばれています。
今回、制作にあたり、松原さんが自身でまとめて保存していた手製のファイル「水辺の人」を写真集向けに新たに編集。これまでほとんど公表されていない作品がまとめられました。
撮影にはフィルムを使用し、暗室でプリントしている松原さん。その独特のモノクロのトーンを細部に再現するため、インクや紙質にこだわり、オリジナルプリント同等の印刷がされています。
限定300部 、1万1000円、日本語・英語、A4変型判、116ページ。「水辺の人」の購入は、松木書店(和歌山市和歌浦中)、ギャラリーT・E・N(同市十一番丁)、道音舎まで。
写真集の出版記念写真展が2月17日(水)~28日(日)まで、「ギャラリーT・E・N」で開催されます。火曜休廊。入場無料。
お問い合わせ先 | 道音舎 |
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電話番号 | 050(7124)5583 |
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