和歌山食物語、生産農家を訪ねて!スイートコーン
- 2016/6/9
- フロント特集
第2週発行号は〝GoodLife(上質な暮らし)〞を提案。今回のテーマは「食」です。これから旬を迎える夏野菜、スイートコーン。今夏はもっとおいしくいただきませんか?
〝鮮度が命〞の夏の味覚
和歌山県内の収穫量は237トン
腹持ちがよく、栄養価も高くて、おやつにもおつまみにもなるトウモロコシ。〝コーンベルト〞と呼ばれる広大な農業地帯がある米国が世界最大産地で、日本は〝世界一のトウモロコシ輸入国〞です。しかしこれは、家畜の飼料など穀物扱いのトウモロコシのお話。ゆでたり、焼いたり…、夏の味覚として私たちが楽しみにしているものはスイートコーンと称され、国内で生産されています。
スイートコーンの収穫量は約25万トン(平成26年度農林水産省作況調査)。そのほぼ半分が北海道で作られているのですが、和歌山でも栽培されています。和歌山県によると平成25年度の収穫量は237トンと微量ながら、この季節になると紀の川市などで、青々と生い茂る姿が見受けられます。
スイートコーンの草丈は、2メートルを超えるくらいまで成長する一方、収穫後は時間とともに実の糖分がでん粉質に。野菜の中でも特に〝鮮度が命〞といわています。
もぎたてを求めて、JA紀の里営農部(紀の川市打田)と一緒に毎年、「とうもろこし祭り」を開いている生産農家「榎本ファーム」(同市西大井)を訪ねました。
生産者流 スイートコーンの食べ方
おすすめは収穫したてを〝生食〞
ゆでるときは皮付きのままで
果てしなく続く〝北の大地のモロコシ畑〞とまではいきませんが、紀の川市役所近くの70アールの畑一面に約4万本のスイートコーンが植わっている様は圧巻。「収穫期は6月下旬〜7月中旬なので、〝もぎたて〞が食べられるのはもう少し先ですが、できることなら、とれたてを生で味わってもらいたい」と話すのは、「榎本ファーム」の代表・榎本猛さん。
同ファームでは、ナス、ホウレン草、枝豆など20種類ほどの野菜を生産していて、10年ほど前からスイートコーンの栽培に力を入れています。「コーンはいろいろな品種を試してみました。その結果、たどり着いたのが『おおもの』という品種。その名の通り、粒が大きく、糖度も20度前後あって抜群にうまいんです。これを紀の川名物『ぷるぷるコーン』としてブランド化したいんです」と自信たっぷり。
通常、スイートコーンは4月に種をまき、5月に苗を畑に植え、受粉すれば6月ごろに実をつけます。1株に2、3本実をつけますが、1株1本にして栄養を蓄えるのが一般的。未熟な時点で収穫されたものが「ベビーコーン(ヤングコーン)」というのはご存じですよね?スイートコーンとはまた違ったコリコリの食感が美味です。
ところで、もうすぐ旬を迎えるスイートコーン。これから食卓に上がる機会が増えると思いますが、皆さんの家庭ではどのようにして食べていますか?
榎本さんにいち押しの食べ方を尋ねると、「絶対に生。コーンの甘みがダイレクトに感じられます。でも、スイートコーンは〝足が早い〞ので、収穫したその日にしか生では食べられません。スーパーなどで売っているものの生食は避けましょう」と。そして、「ゆでるときも、焼くときも皮付きのままで。そうすることでうま味が逃げません」と付け加えます。生産農家ならではのアレンジ料理を教えてくれるのかと思いきや、「新鮮な野菜はそのまま食べるのが一番うまい」ときっぱり。
そんな榎本さんが作ったスイートコーンを味わってみたい人は、今年もJA紀の里主催の「紀の里ぷるぷるコーンとうもろこし祭り」が7月3日(日)に開催されます(下記参照)。また、「榎本ファーム」では、畑の一角でとれたての野菜を販売。事前に連絡をすると自分で収穫して野菜を持ち帰ることもできます。詳細は、「猛一寸(もうちょっと)ザTAKESHIの楽農園『あっぱれくん!』☎0736(77)2103」まで。
最後に、おいしいスイートコーンの見分け方を伝授!榎本さんは「自分で作ったものしか食べやんからな〜」と前置きした上で、「先がまん丸っこくなっていて実が詰まっているもの、そして、ヒゲ(めしべ)をよく見てください。ヒゲの数は粒の数。ふさふさしていて茶色っぽい方が完熟しています。乾燥していないのも新鮮な証拠」と指南してくれました。
スーパーや産直市場にそろそろ〝初物〞が出回る時期、今夏は産地と品種、ヒゲにこだわってみては!!
炊飯器任せのシンプルで簡単
コーン飯(2~3人分)
《材料》
●スイートコーン・・・・1本 ● 白米・・・・2合 ●お酒・・・・大さじ1(お好みの量で) ●塩・・・・小さじ1(お好みの量で)
紀の里ぷるぷるコーン
とうもろこし祭り
日時 | 7月3日(日)午前9時~正午 |
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場所 | 紀の川市西大井園地(JA紀の里打田支所近隣) ※駐車場はJA紀の里打田支所を利用 |
体験内容 | トウモロコシもぎ取り食べ放題、焼きトウモロコシ食べ放題 |
定員 | 300人 ※先着順、申し込み締め切りは6月20日(月)ですが定員に達し次第終了 |
参加費用 | 3歳以上1200円(3歳未満は無料) |
持ち物 | 汚れてもいい服装(長袖)、タオル、軍手、お茶、必要であれば長靴、帽子など |
申し込み先 | 0736(77)0810 JA紀の里営農部(月~金曜午前8時半~午後5時) |