和歌山県は、全国33の信用金庫が実行委員となっている「よい仕事おこしフェア実行委員会」(事務局=城南信用金庫)と11月12日、それぞれのネットワークを生かした中小企業支援や地域の活性化を目的に、包括連携協定を締結しました。
信用金庫は、地域の中小企業の資金繰りを支えるだけでなく、それぞれが抱える経営課題に目を向け、販路や利益の拡大などをサポート。東日本大震災の翌年、2012年に城南信用金庫が中心となり、東北の復興支援として大規模商談会「よい仕事おこしフェア」を東京で実施。以降、「日本を明るく元気にする」をモットーに、規模を拡大しながら毎年開催しています(20年はコロナ禍で未開催)。また、18年には、専属のコーディネーターが「売りたい」「買いたい」「組みたい」「困っている」など、地域を超えて企業の仲を取り持つビジネスマッチングサイト「よい仕事おこしネットワーク」を立ち上げ、登録事業者は全国で1万社以上、市町村や大学などとも連携しています。
すでに、和歌山市や和歌山放送は20年にネットワークに参加していますが、都道府県庁との協定締結は和歌山県が初めて。くしくも同フェア実行委員会事務局・城南信用金庫の川本恭治理事長は和歌山市出身で、「関東には、和歌山に来たことがないという人もたくさんいます。これを機に、和歌山のすばらしさを知ってもらい、観光のきっかけになれば」と話していました。
県は協定締結に先立って、11月5日〜7日に東京・大田区の同ネットワークの拠点「よい仕事おこしプラザ」で開催されたイベントにブースを出展。同サイトのお取り寄せガイド(https://shinkin-otoriyose.jp/)で、「プレミア和歌山」の特集も組まれています。
47都道府県の米で造る「絆舞」
酒かすを利用した新商品誕生
「われわれは“つなぐ”ことが仕事」と川本理事が言うように、地域の産品を融合させた商品開発にも取り組んでいます。そこに名乗りを上げたのが紀州備長炭の炭干し干物で有名な「紀州高下水産」(和歌山市和歌浦南)。同ネットワークが呼びかけ、47都道府県の米を使って醸造した日本酒「絆舞」の製造工程で大量に廃棄される酒かすを活用して、和歌山県産足赤エビ、天然マダイの大吟醸漬けを完成させました。
「フルーティーな香りがするのが絆舞の酒かすの特徴。酒かすに漬けることによって身がふっくらやわらかくなり、焼いたときにほんのり香りが漂います」と高下昭人代表取締役。来年1月以降、同社のオンラインショップや白浜のとれとれ市場などで売り出す予定。
関連キーワード