和歌山の魅力を世界へ!
広がる仮想空間「メタバース」
- 2024/3/21
- フロント特集
現在、新しい観光発信のプロジェクトとして注目を集めている「メタバース和歌山」。今回はその詳細に迫りつつ、バーチャルとリアルを画像と写真で比較してみました。メタバース和歌山の世界を少しだけのぞきながら、実際の和歌山を歩いて、その魅力を改めて体感してみませんか。
ゲームを活用した新たな観光PR
見慣れた町がバトルフィールドに!?
世界中に熱狂的なプレーヤーがいるオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」。メタバース上で、自分の分身であるアバターが戦うバトルゲームです(左記参照)。昨年、ユタカ交通(本社=和歌山市中之島)と一般社団法人である和歌山新城下町DMCは、フォートナイトを活用した観光発信プロジェクト「メタバース和歌山」を始動。和歌山城をはじめ、和歌山駅前やアロチを舞台にしたオリジナルのゲームフィールド(マップ)を次々に公開し、注目を集めています。
すでに多くの人が、メタバース和歌山のマップを利用してゲームを楽しんでいるほか、特設会場に県内外のプレーヤーが集まり、バトルを繰り広げるeスポーツ大会が行われるなど、大きな広がりを見せています。
実行委員会の中心となっているユタカ交通の代表取締役社長・豊田英三さんに、開発秘話やこれからの展望について聞きました。さらに、バーチャルの世界を飛び出し、春のリアルな和歌山城の楽しみ方を紹介します。
和歌山の観光資源とポップカルチャーの融合を目指して
行動を起こしてもらう仕掛けに
若い世代が楽しむゲームに着目
「メタバース和歌山」の発案者は、和歌山県を拠点にバス・タクシー・旅行サービス業を展開するユタカ交通の代表取締役社長・豊田英三さん。プロジェクト立ち上げのきっかけは、コロナ禍で交通業や宿泊業、飲食業が低迷し、会社や雇用を守るためには、新たな事業を確立しなければならないと考えたことでした。
「コロナが落ち着いてから、アニメや漫画、ゲームの〝聖地”に多くの人が集まったことに気が付きました。現実世界とは真逆のもので発信することが大事なのではと感じ、メタバースに着目。ただ単に、リアルな世界をバーチャル上に再現するだけではなく、人に行動を起こしてもらうには仕掛けが必要だと考え、多くの若い人たちが親しむ
Fortniteの活用に至りました」と豊田社長。昨年12月、和歌山城を中心にした観光誘客などに取り組む「和歌山新城下町DMC」とともに、「メタバース和歌山実行委員会」を設立。ゲーム・メタバース事業を手がける会社「モンドリアン」制作のもと、メタバース和歌山が始動しました。
同月にプロジェクト第1弾となる「和歌山城マップ」を公開。和歌山市和歌山城整備企画課の協力を得て、現在の天守閣の測量資料などをもとに城内周辺を忠実に再現しました。今年1月に公開したJR和歌山駅前マップは、JAビルを中心としたリアルな街並みの中に、パンダやクジラ、那智の滝といった和歌山を象徴するオブジェクトを配置。2月公開のアロチマップは、ネオンに包まれた新内(あろち)通りの、繁華街らしいきらびやかな様子を表現しています。普段は登れない屋根の上に登るなど、自由に和歌山の街中を走り回ることができる、ゲームならではの楽しみが満載です。
県内外の若者プレーヤーに拡大中
eスポーツ大会も続々開催
マップ公開以降、メタバース和歌山のマップを利用したeスポーツ大会も続々登場。今年の1月には、吉本興業の人気芸人・小籔千豊さん主催の「第4回親子大会featuring Fortnite(フィーチャリング・フォートナイト)」がオンラインで開催(本選は4月予定)。2月には「和歌山城下町eスポーツ大会~eスタジアムなんば本店・泉佐野 合同交流戦~」が大阪市・泉佐野市で、3月には「ユタカ交通プレゼンツ 和歌山新城下町カップ by和歌山新城下町DMC」が和歌山市で行われるなど、盛り上がりを見せています。
今後、協賛企業とともにメタバース経済圏を構築していきたいと話す豊田社長。全世界に和歌山の魅力を発信することで観光促進を目指し、将来的な雇用機会の創出にもつなげたいと言います。「和歌山には、真田幸村をはじめ魅力的な歴史上の人物や、特色のあるジオサイトなど、アニメや漫画、ゲームといったポップカルチャーと相性の良い要素がたくさんあります。和歌山の歴史文化を生かし、多くの人をひきつけるコンテンツを生み出すため、地元はもちろん、世界中の熱意あるクリエーターと協働できる環境をつくりたいと考えています」。和歌山の魅力を軸に、わくわくするような体験をつくり出す新たな取り組みに、期待が膨らみます。
現在公開されているマップのコードは、メタバース和歌山の公式サイトで確認可能。こちらからアクセスを。