和歌山の空き家事情② 「不安、汚い、わからない」を払拭 流通を推進「安心R住宅」制度
- 2018/3/15
- ハウジング
国の品質基準をベースに標章付け、販売
既存住宅の流通を活性化し、深刻化する空き家の増加を押さえようと、国土交通省が推進する制度「安心R住宅(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)」が、4月1日から始まります。
これは、国が定めた品質基準で、全て満たした既存住宅に対して“標章(ロゴマーク)”を付け、販売できるというもの。既存住宅を購入するとき、物件に対する「不安」「汚い」「わからない」といった、マイナスイメージを払拭するのが狙いです。
要件には、1981(昭和56)年6月1日以降の耐震基準を満たしていること 、建物状況調査(インスペクション)で不具合が無く、販売後に何らかの欠陥が見つかったときに補償される「既存住宅瑕疵(かし)保険」の付保の用意がされていること、または、瑕疵保険の現場検査に合格し、付保の用意がされていること、他にもリフォームの提案や写真の提供、今までの修繕履歴や省エネルギーに関する情報の提供が盛り込まれています。
制度には現在、ハウスメーカーで構成する優良ストック住宅推進協議会などが登録。積和不動産関西・和歌山営業所の森翼さん(写真)は「売り手にとっては建物に標章が付くことで売りやすく、買い手にとっては建物の良いところはもちろん、後に修繕が必要となるところも分かった上で購入できるので、後のリフォームプランを立てやすいのが利点です」と説明します。
さらに「当社では、グループ会社が定期的に点検したり、リフォームの相談に乗ったりして、建物に長く住んでいただけるよう、一貫したアフターケアを行います」と話します。
買い手が安心して既存住宅を購入できる仕組みは、購入の際の一つの判断基準になります。
森さんは既存住宅の購入について、「安心R住宅を含め、さまざまな住宅を見比べ、検討してください」とアドバイスしています。