和歌の浦誕生1300年
この秋、新たな祭りが開催
- 2024/9/19
- フロント特集
1300年という長い歴史の中で、歌い継がれる日本遺産・和歌の浦。和歌の聖地としてその魅力と誇りを再発見できる新たな祭礼が、10月26日(土)の前日祭、10月27日(日)の本祭を中心に開催されます。
歌の力が息づく和歌の浦
その魅力と誇りを未来へつなぐ
和歌川の河口に広がる自然豊かな干潟をはじめ、四季折々、刻一刻と変化する多彩な風景を持つ和歌の浦。今から1300年前の奈良時代、724(神亀元)年10月に、奈良の大仏を造立したことで有名な聖武天皇が、当時「若の浦」と呼ばれたこの地の玉津島を訪れ、奠供山(てんぐやま)からの景色を眺めて感動し、景観を守る詔(みことのり)を発したといわれています。「若の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺(あしべ)をさして 鶴(たづ)鳴き渡る」。これは、そのとき聖武天皇の行幸に従った歌人・山部赤人(やまべのあかひと)による歌。「和歌の浦に潮が満ちて干潟が見えなくなり、干潟にいた鶴が一斉に飛び立ち、葦のはえる岸辺へ鳴きながら飛んでいく」と情景を詠み、この歌をきっかけに、和歌の浦は多くの皇族や貴人、歌人にとって憧れの地に。時を経てもその魅力は色あせず、これまで歌や物語の題材として取り上げられ、天下人や文化人に愛されてきました。
そんな歴史深い和歌の浦で、この秋新たに開催されるのが「和歌の聖地・和歌の浦誕生千三百年記念大祭」。10月から11月にかけて、和歌に関するさまざまなイベントが企画されています。
「1300年という長い間、“歌の力”がずっと息づいている和歌の浦。この大祭をきっかけに、絶景の宝庫であるこの地の魅力を全国の人に知ってほしい。そして、地域の人には和歌の浦に誇りを感じてほしい」という思いのもとで開かれる新しい祭り。同実行委員会は、春の紀州東照宮・和歌祭、夏の和歌浦天満宮・天神祭に加え、秋の玉津島神社・同祭を“和歌浦三社”の祭事として、続けていきたいと意気込みます。
聖武天皇行幸時代絵巻行列
10月27日(日)午前10時 玉津島神社をスタート
時代別の衣装がそろう行列に
俳優の町田啓太さんが登場!
10月27日(日)の本祭では、聖武天皇の玉津島行幸を再現する「聖武天皇行幸時代絵巻行列~奈良時代から平安、江戸そして未来へ~」が行われます。行列は、和歌の神をまつる玉津島神社を午前10時に出発、不老橋を渡り、片男波までの約1キロを練り歩きます(地図参照)。
聖武天皇や有名な歌人たちが生きた奈良時代、小倉百人一首でも知られる歌人・藤原公任(きんとう)が活躍した平安時代、紀州藩の名君・徳川頼宣らが和歌山を治めた江戸時代。それぞれの時代の衣装を身に着けた人たちで行列は彩られ、最後を小学生たちが歩くことで未来を表現。行列には、楠見小学校・和歌浦小学校・雑賀小学校の小学生が参加します。1300年の歴史とこれからの和歌の浦に思いをはせるメインイベントです。
この行列には、「源氏物語」の作者・紫式部の人生を描いたNHK大河ドラマ「光る君へ」で、藤原公任を演じる俳優の町田啓太さんが登場。作中の平安衣装で行列に参加します。
行列がたどり着く片男波公園の野外ステージでは、開会パフォーマンスや記念コンサート、マルシェなどが実施されるほか、玉津島神社や万葉館でも多彩な催しが目白押し。大祭のスケジュールや詳細、和歌の浦の魅力発信の新拠点「和歌の浦あしべ庵」などについて、次項で紹介します。
和歌の浦の歴史と文化を体感
和歌の聖地・和歌の浦誕生千三百年記念大祭 前日祭・本祭スケジュール
●午前11時〜午後4時
和歌の浦 短歌ワークショップ
【会場】片男波健康館(アリーナ)※主催=和歌山市
●午前11時〜午後9時(花火打ち上げは午後7時開始)
和歌祭わかうら花火大会(祝・和歌の聖地和歌の浦誕生千三百年記念)
【会場】和歌浦湾、ベイサイド和歌浦
和歌祭わかうら花火大会
10月27日(日)
●午前10時〜11時
聖武天皇行幸時代絵巻行列
~奈良時代から平安、江戸そして未来へ~
【会場】玉津島神社〜野外ステージ(片男波公園)
●午前10時〜午後4時
和歌の浦マルシェ
【会場】片男波公園
●午前11時〜午後3時
和歌の浦まちしる子どもマルシェ
【会場】あしべ庵
●午前11時〜11時半
開会式と開会パフォーマンス記念特別コンサート
【会場】玉津島神社拝殿特別会場、野外ステージ(片男波公園)
開会式と開会パフォーマンス 記念特別コンサート
●午前11時40分〜12時半
記念短歌大会 表彰式
【会場】野外ステージ(片男波公園)
●午後1時半〜2時15分
冷泉(れいぜい)家 和歌披講
【会場】玉津島神社 拝殿前特設舞台
冷泉家 和歌披講
●午後2時半〜3時半
記念シンポジウム
【会場】片男波健康館(アリーナ)
記念シンポジウム
●午後3時40分〜50分
閉会式
【会場】片男波健康館(アリーナ)
●午後4時〜5時
和歌の浦インタープリテーション策定会議
【会場】片男波健康館(アリーナ)
9月29日(日)にオープン
和歌の浦あしべ庵
玉津島神社に隣接する「和歌の浦あしべ庵」が、9月29日(日)、和歌の浦周遊の拠点としてオープン。紀州ネルの発展に貢献した実業家・福島嘉六郎が、1929(昭和4)年に建てた別荘を和歌山市が整備。和歌の浦のまち歩きの途中で立ち寄って、和室や縁側で休憩したり、観光情報も取得できます。風情あるたたずまいはもちろん、池に蓮(はす)が咲く庭園や、大きな松の木、奠供山の伽羅(きゃら)岩など、見どころが多数。誰でも利用できるので、この施設を拠点として和歌の浦の観光スポットを巡り、和歌の浦の歴史や文化に触れてみてください。
オープン記念イベント─地元が祝う─
9月29日(日) 午前11時~午後4時
片男波こども園や和歌浦小学校の児童、明和中学校吹奏楽部が演奏やダンスを披露するほか、地域の人たちによる笙(しょう)の演奏や歌声広場など。キッチンカーや和歌浦せんべい、北畑海苔(のり)店の出店もあり、スーパーボールすくい、モルック体験、アロマハンドマッサージなどのコーナーも並びます。入場無料。雨天中止。
※当日は和歌の浦アートキューブ南の臨時駐車場を利用
https://wakanoura.exblog.jp/33447306/
楠見小学校らの児童が発表!
和歌の浦SDGsプロジェクト
「環境とこころの教育そして観光まちづくり」
【日時】10月25日(金)午前10時~午後4時
【場所】和歌の浦アート・キューブ
神戸大学学術研究推進機構SDGs推進室客員教授・信時正人さん、和歌山工業高等専門学校教授・楠部真崇さんが登壇し、「和歌の浦湾の文化とエコツーリズム」をテーマに講演します。和歌山市立小学校(楠見小学校、木本小学校)の小学生が、2023年10月から行ってきた和歌の浦の歴史などに関わる学習について、発表を行います。和歌山市のリサイクルや脱炭素の取り組み、各企業の取り組みの紹介もあり。観覧無料。
【お問い合わせ】
和歌の聖地・和歌の浦誕生千三百年記念大祭実行委員会
080(4971)1213 実行委員会事務局
さらに詳しい情報はホームページで確認を https://www.waka1300.com/
和歌の聖地・和歌の浦 誕生千三百年記念大祭 関連イベント
第50回 和歌山学生かるた大会
和歌山かるた会による、学生対象のかるた大会。経験者が集まる「選手権の部」、百首を覚えていて、競技かるたのルールを知っている人の「黒潮杯の部」、百首は覚えていないけれど、ルールに従って試合ができる人の「伏虎杯の部」、百人一首を少し知っていて、競技かるたに興味がある人の「己の国杯の部」、それぞれのトーナメント式。県下在住、または在校の幼稚園児、小・中学生、高校生、大学生、専門学校生が出場できます(初段以上の有段者は不可)。申し込み方法は下記。
日時 | 10月13日(日)午前9時半から (9時受け付け締め切り) |
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会場 | 玉津島神社 |
参加費 | 500円(当日集金) |
定員 | 各部門8人(応募人数が定員を越えた場合は抽選) |
申し込み | 氏名、学校名、学年、出場希望部門を明記の上、メール(marrygold_0206@yahoo.co.jp)で応募。 9月29日(日)締め切り |
お問い合わせ | 090(5895)1412 和歌山かるた会室川さん |
第25回 和歌の浦万葉薪能
1999年に発足以来、能や狂言という日本の伝統芸能を深く浸透させようと活動してきた「和歌の浦万葉薪能の会」。同会による本格的な野外の薪能。観世流能「海士(あま)」と大蔵流狂言「口真似(くちまね)」が演じられます。海士では、観世流能楽師シテ方・片山九郎右衛門(くろうえもん)が、海士と龍女(りゅうにょ)役を務めます。同会が行う能楽ワークショップの発表もあり。※雨天の場合は「健康館アリーナ」で開催(立ち見になる場合あり)
日時 | 10月13日(日)午後4時20分から(4時開場) |
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会場 | 片男波公園野外ステージ |
料金 | 前売り一般4000円、小・中・高・大学生1500円(当日は500円増し) |
お問い合わせ | 073(422)8458 和歌の浦万葉薪能の会(岩倉クリーニング内) |
HP | http://manyou-takiginoh.com/ |
特別展「聖武天皇と紀伊国」
聖武天皇が行幸して以来、和歌の浦は王朝貴族たちの憧れの地となり、庶民にも広く愛される景勝地となりました。聖武天皇の事績を取り上げながら、紀伊国で花開いた文化を紹介する特別展です。10月13日(日)と19日(土)には公開シンポジウムもあり。詳しくはホームページで確認を。
日時 | 10月5日(土)~11月24日(日) |
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会場 | 和歌山市立博物館(和歌山市湊本町) |
入館料 | 一般・大学生500円、高校生以下無料 |
開館時間 | 午前9時~午後5時(入館は4時半まで) |
お問い合わせ | 073(423)0003 市立博物館 |
HP | http://www.wakayama-city-museum.jp/ |
和歌の浦のあけぼの
海南万葉の会が、万葉ウオークと公演鑑賞を企画。約7kmを歩く万葉ウオークin藤白「有馬皇子をたずねて藤白峠をこえる」を11月30日(土)に、約6.5kmの万葉ウオークin和歌浦「万葉の風を感じて歩く」を12月1日(日)に行います。万葉ウオークin和歌浦では、ゴール地点の和歌浦健康館で、劇団KCMのミュージカル公演「和歌の浦のあけぼの 聖武天皇ものがたり」を鑑賞します。
各イベント日程
万葉ウオークin藤白 | 11月30日(土)午前10時から 【集合場所】JR海南駅 【参加費】500円 |
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万葉ウオークin和歌浦 | 12月1日(日)午前9時半 【集合場所】玉津島神社 【参加費】500円 |
劇団KCM公演 「和歌の浦のあけぼの聖武天皇ものがたり」 |
12月1日(日)午後2時から(1時半開場) |
予約・問い合わせ | 090(9989)2262木綿さん、 090(2062)7778東さん |
万葉音楽祭 in和歌の浦
紀伊万葉ネットワーク主催のコンサート。第1部は、シンガーソングライター・検校たかおさんがギター弾き語りで「真土山哀歌」などを、第2部は紀伊万葉ネットワーク、万葉愛好家の皆さんが万葉歌朗踊を披露。第3部では、岡本三千代と万葉うたがたり会が、「鶴なきわたる」「大我野のテーマ」などを演奏します。
日時 | 10月13日(日)午後1時半~4時(1時開場) |
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会場 | 和歌の浦アート・キューブ (和歌山市和歌浦南) |
入場料 | 無料 |
定員 | 200人 |
お問い合わせ | 073(499)4356 堀畑さん |