各地で講座開催 防災を強化 ⑦

―ひと雨ごとに暖かくなる春。雨は動植物が生きていく中で必要不可欠です。でも、時に自然の恵みが、災害をもたらすような大雨になることがあります。警戒が必要なのはどのようなときですか。
 大雨を起こす要因は「積乱雲」です。天気予報で「明日は大気の状態が不安定です」という解説を聞いたことはありませんか? 大気の状態が不安定になると、空気中の水蒸気がどんどん空高く持ち上げられて大きな雲、つまり積乱雲ができます。積乱雲は発達するスピードが速く、晴れていても急に激しい雷雨になることがあるので注意が必要です。

―なるほど。天気予報の解説を知っていれば事前に気を付けることができますね。
 そうです。私たち気象台は、天気の情報などを発信していますが、もしものときに早めの避難行動をとれるよう、防災知識の普及にも力を入れています。

―具体的には?

 小・中学生には急な大雨から身を守るための知識を学ぶ「大雨ワークショップ」、自治体向けに防災活動の支援、防災関係機関向けに講師派遣などの普及啓発活動を行っています。例えば「大雨ワークショップ」は、積乱雲の特徴や大雨が降ったときに危険な場所、適切な行動をとるための注意点などを伝えたり、避難行動を班ごとに話し合ったりします。

―専門家の話を直接聞けるいい機会ですね。
 少しでも皆さんの防災に関する知識と意識が高まれば、との思いでさまざまな取り組みを行っています。和歌山地方気象台のホームページ「和歌山地方気象台からのお知らせ」の「出前講座等」を見てくださいね。

小学校での大雨ワークショップの様子

回答者
田中省吾さん
和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員

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