口から始まる健康づくりvol.78
食べ物のおいしさに関わる
唾液と健康的な歯
- 2024/9/26
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
おいしさはには、味だけなく
多彩な食感や温度も重要
食事を楽しむことは、人生において重要な要素の一つですよね。食べ物の味は、舌の「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官で感じています。食材を構成している物質をこの味蕾に届ける役割を担っているのが、唾液です。
唾液が少なくなると、味を感じにくくなります。口の中の潤いが少なくなることで、舌と食べ物がこすれて炎症が起こり、味蕾の機能が低下したり、味蕾自体がなくなってしまう場合も。唾液が少なくなると食べ物の本来の味が分からなくなる味覚障害になってしまう可能性があるのです。人間が感じることができる味は、主に甘み、酸味、塩味、苦み、うまみの5つ。舌の炎症による味覚障害においては、塩味と酸味を混同しやすくなるといわれています。
唾液の量が減る原因は、加齢などさまざまなケースがありますが、食べ物をよくかんだり、マッサージをすることで増やすことも可能です。よくかむことで唾液の分泌が促進されると、消化酵素のアミラーゼが糖質を分解し、より栄養を吸収しやすくなるというメリットもあります。
また、おいしさは舌だけで感じるものではありません。歯と骨の間には「歯根膜(しこんまく)」というものがあり、歯で食べ物をかむときに感じる圧力の違いが神経に伝わり、脳で食感をしっかり感じとることができるのです。せんべいなどのバリッとした硬い質感、野菜などのシャキシャキ感、焼きたてのパンのようにふんわりした食感、団子などのもちもち感、霜降り肉や脂の載った魚などのとろけるような食感…。食べ物に歯で触れるときのバラエティー豊かな感覚は、食事をより味わい深いものにしてくれます。
歯を失った場合、入れ歯は天然歯と比べて安定しにくく、咀嚼(そしゃく)力が低下するため食感を感じにくくなります。インプラントは人工歯根をあごの骨に埋め込むため、天然の歯とよく似ていますが、歯根膜がないため、天然歯とまったく同様の食感は楽しめないとされています。
また、食べ物の温度もおいしさに関わる要素の一つ。入れ歯の場合は、口蓋(こうがい)を覆うピンク色の部分・義歯床に厚みがあるため、食べ物や飲み物の温度を感じにくくなります。
食事を楽しむためには、虫歯や歯周病を予防して、なるべく多くの天然歯を残すことが大切。信頼できる歯科医院で、きちんと定期検診を受け、セルフケアを継続するようにしましょう。また、食事の際には食べ物をよくかんで、唾液の分泌を促進しながら、おいしく食べることを意識してみてくださいね。
(川崎豪彦)
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