口から始まる健康づくりvol.76
睡眠時に起きる歯ぎしりに
食物繊維の不足が関係!?
- 2024/7/25
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
大きな負担がかかる歯ぎしり
食物繊維の摂取で減少に期待
無意識のうちにギリギリと歯をすり合わせたり、歯をギュッとかみしめてしまう歯ぎしり。歯ぎしりをすることによってあごに加わる力は、男性で最大100キロ㌘といわれています。睡眠時に起こる歯ぎしりに、悩まされている人も多いのでは。マウスピースの使用やボトックス注射により筋肉などの働きを緩める、口や舌を動かす体操で口周りの筋肉をほぐすなどの対処法がありますが、根本的な治療はないとされています。歯ぎしりがひどくなると、歯のすり減りや割れが起こったり、歯周病を引き起こしたりと歯や歯茎に影響が出てきます。あごに負荷がかかることで、顎関節症(がくかんせつしょう)や頭痛、肩こりにつながる場合も。
昨年、そんな睡眠中の歯ぎしりに食物繊維の摂取量が関わっていることが、岡山大学とノートルダム清心女子大学の研究により明らかにされました。研究では、大学生143人を睡眠中の歯ぎしりの有無で2つのグループに分け、過去1カ月間の栄養素の1日摂取量を比較。結果として、歯ぎしりのあるグループの食物繊維の摂取量が低い傾向にあることが分かりました。さらに、食物繊維の摂取量を4つに分け、最も多いグループと最も少ないグループについて、歯ぎしりの有無で食物繊維の1日摂取量を比較。歯ぎしりのあるグループの食物繊維摂取量は、平均10・4グラム、歯ぎしりのないグループは13・4グラムと差が見られたといいます。また、食物繊維以外の栄養素では明確な差はなかったという結果も。
食物繊維が睡眠時の歯ぎしりの予防に有効かどうかについては、現在研究が進められていますが、食物繊維は、現代の日本人の食生活においては不足しがち。2018年、2019年の国民健康・栄養調査に基づく日本人の食物繊維の摂取量の中央値は、18歳以上の成人で1日13・3グラム程度。理想的な摂取量よりもかなり少なくなっています。このため厚生労働省は、成人では男性は年齢によって20グラムから22グラム以上、女性は年齢によって17グラムから18グラム以上を1日の摂取量の目安として設定しています。食物繊維は、野菜類、穀類、豆類、きのこ類、いも類に多く含まれています(右記参照)。寝ている間の歯ぎしりに悩んでいる人は、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
(川崎豪彦)
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