口から始まる健康づくりvol.42
体調を崩しやすい季節の変わり目
風邪・インフル予防に歯みがきを
- 2021/9/23
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
口の中の細菌を減らして
ウイルスが増殖しにくい環境に
日中の気温の変化が大きく、体調を崩しやすい季節の変わり目。新型コロナウイルスをはじめ、季節性のインフルエンザや風邪のウイルスの流行が気になりますよね。予防策として、「手洗い」「うがいの徹底」「マスクの着用」などは当たり前になってきました。それらに加えてほしいのが、「歯みがき・口腔ケア」です。
風邪やインフルエンザのウイルスは、鼻から喉にかけての粘膜にくっついて、細胞内に侵入します。本来、私たちの体の中の粘膜は、たんぱく質で覆われており、ウイルスが付着するのを防いでいます。しかし、口腔内でたんぱく質を破壊する酵素「プロテアーゼ」が作られることで、ウイルスの過ごしやすい環境ができてしまいます。口の中を不潔なままにしておくと、細菌が増殖。細菌が増えると、唾液中のプロテアーゼの量が増えてしまいます。
また、インフルエンザウイルスは、口腔内の雑菌が出す「ノイラミニダーゼ(NA)」という酵素を介して増殖。抗インフルエンザ薬である「タミフル」や「リレンザ」は、このNAの働きを妨げ、ウイルスの感染拡大を防ぐという薬です。
このことからも分かるように、風邪やインフルエンザのウイルスが広がることを防ぐためには、口の中を清潔に保ち、細菌を減らすことで唾液中のプロテアーゼを減少させることが重要なのです。ある介護福祉施設では、歯科衛生士が週1回、歯みがきや舌みがきの指導、プラーク(歯こう)の除去を実施。実施しなかった施設と比べ、インフルエンザの発症率が10分の1に激減したという研究結果もあります。
歯科医院での定期的な診察やケアはもちろんですが、やはり自宅での毎日のケアを徹底することが大切。口の中には、約300種類の細菌が生息しているといわれています。その細菌をこすり落としているのが歯ブラシ。長期間使用し続けると、実はこの歯ブラシが、何千何万の微生物や細菌のたまり場になってしまいます。ウイルスの増殖しやすい環境を作ってしまわないためにも、歯ブラシは約1カ月を目安に交換して、しっかりと歯をみがき、口腔ケアをしくださいね。
(川崎豪彦)
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