口から始まる健康づくりvol.40
虫歯治療で一般的な
“銀歯”が体に与える影響
- 2021/7/29
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
銀歯と比較してみて
長い目で見たセラミックのメリット
虫歯の治療で、歯を削った部分を補うときに使うのが、詰め物やかぶせ物です。皆さんにとってなじみのある素材の一つは、金、銀、パラジウムで作られる合金、いわゆる銀歯ではないでしょうか。しかし、一般的によく使用されているこの銀歯には、さまざまなデメリットがあります。
まず、噛むときに大きな負担がかかったり、唾液やいくつもの種類の細菌に絶えずさらされたりと、口の中は銀歯にとって過酷な環境。そのため、傷の付きやすい銀歯は、劣化も早いのです。また、銀歯が唾液で溶かされることで、徐々に体内にその成分が取り込まれ、アレルギーを発症する場合も。金属アレルギーは、口の中に異常をきたすだけでなく、体のさまざまな部分に影響を及ぼします。銀歯が原因で、円形脱毛症など、一見関係がないように思える症状が引き起こされるケースもあります。
その他、傷の付きやすい銀歯には細菌がたまりやすいため歯周病が悪化しやすい、長期間の使用で銀イオンが溶け出し、歯茎が黒く変色してしまうこともあるといったデメリットがあります(左記参照)。このようなリスクを避けるため、欧米諸国では、金属を入れる治療は減少傾向にあり、幼児や妊婦に使用するのは禁忌としている国も。
一方で、詰め物やかぶせ物の代表的な素材の一つであるセラミックは、丈夫で寿命が長く、虫歯になりにくいという利点が。白く、美しい見た目もキープできます。保険適用外で、自費での負担になるため、選ばない人も多いのが現状です。しかし、リーズナブルではありますが、金属アレルギーのリスクがあり、トラブルが起きやすく、その都度治療を行わなければならない銀歯に比べれば、決して高価な治療ではないといえます。虫歯治療の際、どのような選択がベストなのかじっくり考えてみてください。
また、最も重要なのは、虫歯にならない口腔環境を作ること。日ごろのケアを怠らず、しっかりと虫歯予防をしましょう。
(川崎豪彦)
虫歯治療の詰め物やかぶせ物に
金属を使うときのデメリット
・金属アレルギーを引き起こすリスクが非常に高い
・銀イオンが溶け出して近くの歯茎が黒くなる場合がある
・歯周病が悪化しやすい
・笑ったときに目立つなど、審美性に劣る
・かぶせた部分が再び虫歯になることがある
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