口から始まる健康づくりvol.36
喫煙と歯周病の関係
たばこが口腔内に与える影響は?
- 2021/3/25
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
進行に気付きにくい喫煙者の歯周病
受動喫煙でもリスクあり
たばこを吸うことは、肺や気管支、循環器などだけでなく、口の中の健康にも影響を及ぼすことを知っていましたか。喫煙者は、口臭やヤニによる歯の表面の汚れに悩まされるだけでなく、歯周病にかかりやすくなるといわれています。歯周病にかかるリスクは、1日10本以上喫煙すると5・4倍、10年以上継続的に吸っているとさらに4・3倍にまで上昇。さらに、重症化もしやすいという統計データがあります。
たばこの煙には、タールやニコチン、一酸化炭素をはじめ、何千種類もの化学物質が含まれています。ニコチンには血管を収縮させる作用があり、血液の流れる量が減少することによってヘモグロビンや酸素飽和度の低下を引き起こし、〝酸欠状態〟に。通常、歯周病が進行すると、歯茎が腫れたり、血が出たりするものです。しかし、このような場合は炎症や出血が起こりにくく、歯周病の進行に気付くことができずに、手遅れになってしまうケースも多々あるのです。
加えて、喫煙により体内でビタミンCが大量に消費されるため、免疫力の低下が起こります。組織の再生・修復機能にも作用するので、歯周病の治療後や、口腔内の手術後の治りを遅らせる要因になります。
自分自身がたばこを吸っていなくても、副流煙によって歯周病が引き起こされる場合も。また、紙巻きたばこの代替品として最近広がりをみせている電子たばこや加熱式たばこについては、健康障害に関するデータがまだそろっていないのが現状です。量の差はあっても従来のたばこと同様に化学物質を含んでいるため、健康に影響を及ぼさないとは言い切れないので注意が必要です。
インプラント治療においても、1日に5本以上たばこを吸う習慣のある人は、たばこを吸わない人と比べて手術のリスクが上がり、難しい症例という扱いに。治療効果を高めるために、禁煙を推奨しています。現在たばこを吸う習慣のある人は、口腔内の健康だけでなく、全身の健康を守るためにも、〝卒煙〟を目指しましょう。(川崎豪彦)
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