口から始まる健康づくりvol.32
「口腔内の感染症対策 インフルエンザや新型コロナを予防」
- 2020/11/19
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
手洗いと同様、口の中をいつも清潔に
粘膜免疫がウイルスの侵入を防ぐ
今年の冬は、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が心配されています。ウイルスは、口の中の粘膜から細胞に侵入し、増殖などを繰り返すことで発症します。
感染症を予防するには、手洗いと同様、口腔ケアをしっかりして口の中を清潔に保つことが大切です。なぜなら、私たちの口や鼻の粘膜には、たんぱく質でできた″粘膜免疫″と呼ばれるウイルスの侵入を防ぐ作用が備わっているからです。
でも、歯磨きなどの口腔ケアを怠ると、虫歯や歯周病などの原因となる細菌(悪玉菌)の数が増殖。歯の表面に白っぽくてねばねばした細菌の塊「プラーク(歯垢)」ができます。これらの細菌は、たんぱく質を分解する酵素「プロアテーゼ」を作り、ウイルスを粘膜から細胞に入りやすくする特性を持っています。口の中が不衛生な状態になると、プロアテーゼの量が増えるためウイルスに感染しやすくなるのです。
1日1回は時間をかけて歯磨きを
唾液で潤い、乾燥させないことが重要
口の中を清潔に保つには歯磨きが欠かせません。食後すぐは口の中が酸性になり、歯の表面が傷つきやすい状態になっていることがあるので、食後30分~1時間空けてから磨きましょう。1日に何度も磨くなら、1回だけでいいので磨き残しがないように時間をかけて。例えば、朝晩の2回磨いているなら、晩をより丁寧に。歯間ブラシの使用もおすすめです。舌磨きは、1週間に1回程度は行ってください。歯磨き後、舌で歯を触るとツルツルする、朝起きたときに歯がねばねばしないならOKです。
ブラッシングについては、歯ブラシを歯に当てる角度が歯の状態によって変わるなど、人によって異なるので歯科を受診した際、相談してみるのが良いかと思います。
歯磨きに加え、口の中を乾燥させないことも重要です。唾液は細菌やウイルスを防御してくれる働きがあります。唾液の分泌を促し、潤いを保つ方法の一つとして、手軽にできるのが舌回し運動。口を閉じ、舌先で上下の歯の表面をなぞるようにゆっくりと円を描きます。
他にも、口で呼吸をすると、口の中が乾燥し、ウイルスが口から入りやすくなります。マスクを着けていると、無意識のうちに口呼吸をしがちですので、できるだけ鼻呼吸を意識してください。
毎日のセルフケアに加えて定期的に健診を行うなど、口腔内の健康を保ちながら、ウイルス感染を予防しましょう。
(川崎豪彦)
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