口から始まる健康づくりvol.26
「しっかりと噛むことが 心身の健康につながる」
- 2020/5/28
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
口周りの筋力を鍛えて誤嚥を予防
しっかりと噛めるインプラント
皆さんは、しっかりと噛んで食事ができていますか。〝歯の健康〟は、全身の健康に多くの影響を及ぼします。
まず、健康な歯の数が減ると、体の栄養バランスが乱れてしまいます。咀嚼(そしゃく)がしっかりとできなくなることで食べる物がやわらかい物に偏り、摂取できるミネラルやビタミンの種類が少なくなるためです。歯を失っていたり、しっかり噛むことができないままでいると、口腔周辺の筋力も衰えていきます。しわやたるみなどの表情の変化による老化はもちろん、体全体の不調の原因に。口周りや舌の筋力が低下すると、病気が引き起こされるリスクが高まるのです。
厚生労働省の「性別にみた死因順位」では、2017年から肺炎とは別に、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の項目が追加されています。食べ物や唾液が気管に入り、細菌が肺に入り込むことで起こる病気です。2018年の調査によると、この誤嚥性肺炎は、第7位。原因の一つとして、食べ物を噛む力の低下が挙げられます。加齢とともに飲み込む力は弱くなりますが、普段からきちんと噛んで食事をすることで、口腔の筋力をキープし、誤嚥を防ぐことができます。
また、好きな食べ物が自由に食べられなくなったり、うまく話せなくなることが、ネガティブな発想につながるなど、精神に影響をきたす場合も。年をとっても、食事や会話を楽しみ、はつらつと元気でいるためには、歯の健康が非常に重要であるといえます。
インプラントは、自分の歯と同じようにしっかりと物を噛むことができ、見た目も天然歯とほとんど見分けがつきません。入れ歯と比べて口の中の異物感を感じにくく、取り外しやケアの煩わしさがありません。費用の面で悩んでいる人もいますが、インプラントは一般的に約10年ほど持つため、長い目で見ると、決して高価すぎる選択ではありません。見た目の美しさや快適性、健康への影響をふまえて、選択肢の一つとして考えてみては。もちろん、現存している歯は大切に扱い、日々きちんとケアをしてくださいね。(川崎豪彦)
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