口から始まる健康づくりvol.13
首や肩こりの原因は TCHかもしれません
- 2019/4/25
- みんなの健康
- 歯医者さんに聞きました!(口から始まる健康づくり)
集中や緊張で現れる体へのリスク
上下の歯を接触させる癖
上下の歯を接触させる癖「TCH」(Tooth・Contacting・ Habit=トゥース・コンタクティング・ハビット)。 食事以外でいえば、当診療室でも治療テーマにしている「ブラキシズム」、つまり、無意識で起こる就寝時の「かみしめ癖」や「くいしばり癖」、いわゆる「歯ぎしり癖」を思い浮かべます。
しかし、実際には日中何かに集中したり、緊張した状態で、上下の歯を軽く「くっ」と接触させる癖が、東京医科歯科大学の歯科顎(がく)関節治療部での顎関節治療の患者に多く認められたことから、同大学・木野准教授を中心にしたグループで「TCH」が提唱されました。
リラックスしたときの上下の歯は、当たることなく少しすいています。当診療室では、よく患者に、「普段リラックスした状態では、唇を閉じて上下の歯は当たらずに少しすいてて、舌は上顎の粘膜に触れ、鼻で呼吸しているのがベストな状態です」と説明しています。
軽く上下の歯を接触させるだけでも、その歯の歯根表面にある歯根膜という神経の圧迫、血流障害が起こっています。歯の知覚過敏症状、歯周組織の変化、ダメージによる歯のかみ合わせ痛や浮き症状などは、歯周病の進行にもつながります。また、かみ合わせた状態が続くと、耳の前にある顎関節の圧迫を引き起こし、顎関節症発症の要因の一つ、血流障害・関節痛にもなります。
軽くかみ合わせた状態でも、口を閉じる働きをする筋肉は緊張状態にあるので、首や肩の筋肉の緊張して起こる疲労や血流障害が、筋肉の凝りとなって出現します。
TCHは何かに集中していたり、ここ一番の緊張で現れると考えられます。自分では緊張してるつもりのないパソコンや携帯電話の操作も、長時間没頭することでリスクが大きくなると予想されます。
このTCHと夜間のブラキシズムとの関係性も注目するところ。TCHが軽減されることによって、夜間のブラキシズムも軽減される可能性も考えられています。
日中おこるTCHはある程度、自己改革が可能です。そこで当診療室では、自己認識とともに「舌の位置」に着目。 口腔内の機能的なバランスを保つポイント「舌の正常なポジション」を考えています。舌の筋力が低下し、舌の位置が不適正になっていくことによって、歯が接触する可能性が高まると考えられるからです。
口の中で無意識の「力」が加わる習慣が続けば、口唇の緩みを誘発し、口呼吸が助長されていく可能性があります。 これは、睡眠時のブラキシズム後、口呼吸になることにもつながると見ています。起床時の口の乾燥を訴える人に、頬粘膜や舌表面でのブラキシズムの跡や、顎・首周囲に疲労感のある人も少なくありません。TCHは体へのリスクとして、対応していかなければなりません。
(川崎豪彦)
店舗名 | かわさきデンタルクリニック |
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