何でも言えちゃう!?
魔法の言葉「諸説あり」
報道番組に限らず、放送するにあたって最も重要なことの一つ、裏取り。その情報が本当なのか、誰が言っていたのかを調べ、真偽を確認する。その大半はADや若い放送作家がするのだが、これがまぁ大変な作業だ。というのも、クイズやバラエティーなどは、知られてない面白いモノでないと、放送する意味がない。そこで、ネット上にある怪しげな情報が選ばれることが多い。ただ、それらはフェイクも多く、裏が取れないケースがほとんどだ。
そこで便利なのが、「○○先生によると」という言葉。識者に、こちらからその情報を伝え、納得の上で、背負ってもらう。だが、識者がいないケースもある。そんな時に、最強の言葉が「諸説あり」。よく歴史ものなど裏の取りようがない時に多用されている。有名なところで「本能寺の変」の黒幕は、さまざまな「諸説あり」としておなじみだ。といっても、何でもОKではない。ある程度、調べた上で、最後の「諸説あり」だということ。ちなみに、そのある程度の認識はプロデューサーによってもまちまち。番組ごとに「諸説あり」の基準も諸説あるのだ。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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