何から始める!? “保活”の一歩
- 2019/8/15
- フロント特集
働きながら子育てをするママが増えてきました。そんなママたちに必要なのが、“保活”。まず何から始めればいいのでしょうか。保活支援を行っている「ホッピング」のスタッフにアドバイスをもらいました。
復職・就職のスケジュールを確認して
どんなことが必要かを知ることから
働きながら子育てをしたい保護者が、子どもを保育施設に預けるために行う活動が“保活”。「特に最近は、育児休暇を取って、職場復帰するママが多くなってきました」と話すのは、子育て支援や、ママの社会参加を支援するNPO法人の「ホッピング」事務局長の南多恵さん。ホッピングは和歌山市から委託を受け、同市の地域子育て支援拠点として「ドレミひろば」を運営(同市田尻)。子育て中のママやパパが、子どもと一緒に訪ねて交流できるコミュニティースペースで、さまざまな親子が来所しています。
「ドレミひろばでは定期的に保活相談会を行っているのですが、その中でも、育休復帰をするママが増えてきたことと、保育園に預ける子どもの低年齢化が進んでいるなと実感しています」とも。
保育の受け皿も多様化。認可保育園や保育所、認定こども園に加え、ここ数年で企業主導型の保育園も増えています。また、一時的に子どもを預かってくれる施設や、地域の人に支援を依頼するファミリー・サポート・センターを利用する方法もあります。「保育に関わる施設やサービスが充実してきた中で、何をどう利用するか、それを決めるための情報収集も必要なんです」と、南さんは話します。
ママ一人で抱えないで
家族で協力し合えるようにも
相談しながら決めましょう
「ホッピング」は、昨年11月から企業向けに従業員の保活を支援する事業をスタート。従業員の就業定着を目的に、産休や育児休暇を取得する従業員が、復帰に向けてどんな準備が必要なのかを事前にアドバイス。その一環として、保活についての「チェック・リスト・ブック」を今年の5月に作成しました。
「その中でも、特に分かりやすくまとめているのが、『職場復帰までのスケジュール』です」と話す南さんによると、職場復帰や就業に合わせて子どもを保育施設に預けられるようにするためには、その時期から逆算して、「いつ」「何を」するかの計画を立てることが大切とのこと。例えば、ちょうど来年度4月に入園を考えているなら、認可保育園の場合は、各市町村の窓口で決まった時期に申請が必要です(和歌山市なら例年11月)。「それまでには申請書の準備も必要ですし、どこの保育園に子どもを預けたいかを具体的に考えなければいけません」と説明します。簡単なスケジュールを下記にまとめました。
「保育施設を選ぶに当たっては、住んでいるエリアや勤務先、そして勤務状況、またサポートしてくれる家族がいるか…などによっても、一人一人のニーズが変わってきます。どこにどんな施設があるのか情報を集め、実際に候補としたい施設には、子どもと一緒に見学に訪れましょう」とも。
「子どもを連れて行くことで、その施設のスタッフたちが子どもと接する様子を見ることができますし、子どもと施設との相性もありますからね。また、子育てのパートナーである“パパ”にも、ぜひ見ておいてほしいところですが、現実的にはママが行くケースが多いと思います。事前に夫婦で『こんなことを聞こう』『確認しておこう』ということをリストアップしておきましょう」とアドバイス。
保育施設の情報については、住んでいる市町村の窓口で得られます。申請書類と同時に申し込みの案内を配布しているので、まずは市町村窓口を訪ねましょう。その上で、ご近所のママ友や地域の子育て支援拠点などを訪ねて情報収集をしたり、さまざまな相談窓口もあるので、それぞれのケースを相談してみるのもいいでしょう。
「保育園に預けることができても、例えば“発熱で保育園に行けない”“警報が出て迎えにいかなきゃ”という事態も起こります。そんなときはどうするかを決めておくことも必要。病児保育やファミリー・サポート・センター事業についても、事前に知識として持っておいて」と南さん。
また、両親が近くに住んでいるなら、頼ることが大いにあるかもしれません。「ママひとりが保活をがんばっちゃうんじゃなくて、パパの意見も聞きながら保育園選びをすることで、送り迎えの分担について話すきっかけにもなります。両親も頼れるなら、事前に相談しておきましょう」と南さん。保活の段階から周囲を巻き込んでおけば、後々、ママ自身が楽になりますね。
来年4月には、また新しい保育の受け皿が和歌山市に誕生します。そして、今年10月から幼児教育・保育の無償化がスタート。今後の保活にも、役立ててください。
大きく分けて、認可保育園と認可外保育園があります。
認可保育園 公立保育園(所)・私立保育園 認定こども園
利用申請は各市町村の窓口へ
和歌山市は保育こども園課 | 073(435)1064 |
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海南市は子育て推進課 | 073(483)8582 |
岩出市は同市総合健康福祉センター子ども・健康課 | 0736(67)6324 |
認可外保育園 企業主導型保育園・事業所内保育園・民間事業者による託児所 など
利用申し込みは直接それぞれの施設へ
自宅の近く、職場の近くか、または通勤途中に便利なのか、夫や実家の両親などに送迎を頼む場合のアクセスは便利か…なども考慮して、どのエリアにどんな施設があるか調べましょう
●保育時間
延長保育や土曜の保育時間も
●費用
給食費や諸雑費も
●駐車場や送迎バスの有無
●課外活動
●年間行事 …などなど
そのほか、パンフレットなどもらえる資料などを入手
「ホッピング」が制作した“チェックリストブック”
企業向けの保活支援サービスを行っている「ホッピング」が作成した「チェックリストブック」。保育園の種類についての一覧や、職場復帰までのスケジュール例などがまとめられ、“どのタイミング”で“何を”するかが、よく分かります。また、保育施設の見学時に使えるチェックシートが7ページにわたり、複数施設を見学するのも、この一冊あれば役立ちます。
保活支援サービスを提供する企業でこの冊子を提供。また、個別希望者には1冊100円で提供(下記へ問い合わせ)。
ホッピング | 和歌山市雑賀町58、中ぶらくり丁 |
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電話番号 | 073(425)8789 |
備考 | ※祝日除く月~金曜午前9時~午後3時 |
相談会や交流会
和歌山県再就職支援センター
働きたい女性のおしゃべり交流会
9月2日(月)午前10時半~11時半
今すぐ働く、いつかは働きたい…。仕事に目を向けたすべての女性たちのための情報交換会・交流会。子ども同伴OK。参加無料、定員15人(要予約)、交流会の参加には同センターの登録が必要。
保活相談会
毎月第1・3月曜日 個別相談
和歌山県再就職支援センター | 和歌山市本町1-22ワジマ本町ビル3階、紀陽銀行向かい |
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電話番号 | 073(421)8080 |
和歌山市地域子育て支援拠点「ドレミひろば」
保活・両立相談日
8月29日(木)、9月3日(火)・20日(金)
時間は午前10時~11時半、午後1時〜2時半
※個別相談(当日先着順)
ドレミひろば | 和歌山市田尻493-1、和歌山市南保健センター併設 |
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電話番号 | 073(488)6767 |
休日 | 水・日曜、祝日、第5土曜 |
職場復帰就業時期から考えるスケジュール
保育園の情報を集める
↓
希望する保育施設の見学
各施設に直接予約をして訪問
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認可保育園の場合
①申請書類を入手
(居住する各市町村の窓口へ)来年4月の利用開始の申請書類については、海南市・岩出市は市報9月号で、和歌山市は市報10月号で案内されます
②申請書類の作成
就労証明など必要な書類があります
③申請書類の提出
新年度4月の利用開始の申請は、前年度の秋(海南市・岩出市は10月、和歌山市は例年11月)。居住する市町村の窓口へ ※5月~翌年3月の年度途中は、利用を始めたい時期に合わせて申請が必要です
認可外保育園の場合
直接連絡をして定員に空きがあるかを確認し、各施設に申し込み
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復職・就業&保育(慣らし保育)スタート
和歌山市に、2つの認定こども園が来年4月に開設予定。一つは「本町認定こども園(仮称)」で、現在、本町公園に隣接して建設が進んでおり、和歌山市こども総合支援センターとの複合施設として、12月に完成予定(和歌山市北桶屋町)。3・4階に同センターが移転し、来年1月にオープン予定。1・2階が本町認定こども園として、来年4月に開設予定です。
もう1カ所は、「芦原認定こども園(仮称)」(同市雄松町)。2園とも和歌山市立としては初めての認定こども園で、幼保連携型。幼稚園的機能と保育所的機能の両方を併せ持つ施設が誕生します。
和歌山市子育て支援課 | 073(435)1329 |
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幼児教育・保育無償化が始まります
3~5歳児の幼稚園や保育園(所)、認定こども園、企業主導型保育園にかかる保育料が、今年10月から無償化に(給食費や送迎費、行事費などは無償化の対象外、延長保育も保護者負担)。0〜2歳児も市民税非課税世帯が無償化になります。
また、認定こども園の幼稚園利用をする3〜5歳児が「預かり保育」を利用する場合の保育料や、認可外保育施設、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業などを利用する3〜5歳児についても月額限度額までが無償化(どの場合も0〜2歳は市民税非課税世帯で、こちらも限度額まで)。ただし、「施設等利用給付認定」を受ける必要があります。※独自の支援施策が検討されている自治体もあり
和歌山市保育こども園課 | 073(435)1064 |
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海南市子育て推進課 | 073(483)8582 |
岩出市総合健康福祉センター子ども・健康課 | 0736(67)6324 |