体の中からぽっかぽか 七味唐辛子のちから
- 2015/1/29
- フロント特集
食卓に欠かせないスパイス「七味唐辛子」。食べれば体が温まるだけでなく、風味が変わり、食欲もわいてきます。今回、おすすめの地元和歌山の七味唐辛子を紹介。和歌山信愛女子短期大学の教授にその効果も聞きました。
ぴりっとした辛味と爽やかな香り。一振りするだけで、食欲が増し、料理が何倍にもおいしくなる魔法のスパイス「七味唐辛子」。寒さが厳しい今の季節は、体をぽかぽかに温めくれる七味唐辛子は食卓に欠かせません。
ところで、七味唐辛子の七味には何が入っているのか知っていますか?唐辛子をはじめ、サンショウ、ショウガ、陳皮(ちんぴ)、ケシの実、アサの実、ゴマ、シソ、青ノリなど、これら9種類の薬味のうち、いずれかがバランスよく調合されています。
ちなみに、関東では塩気の強い食べ物に合った辛味の強い乾燥したものが用いられ、関西では塩気の少ない食べ物に合う香り重視の焙煎(ばいせん)したものが使われています。
和歌山では、日本一の生産を誇るサンショウを使ったオリジナル七味唐辛子が多数販売されています(下記参照)。七味唐辛子の効果・効能をはじめとする七味唐辛子の世界を紹介します。
みかん七味
5g 648円
①鷹の爪唐辛子②サンショウ③ミカン果皮④ユズ果皮⑤ジャバラ果皮⑥ショウガ⑦シソ
7種類すべて和歌山産の素材を使用。ミカン、ユズ、ジャバラ、サンショウが全体の7割を占め、さわやかなかんきつ系の香りが特徴。お吸い物に振りかけると、ミカンの良い香りが広がります。辛味も後に残らないすっきりとした辛さです。関西国際空港でも販売中。
お問い合わせ | 伊藤農園 |
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電話 | 0120(89)7053 |
住所 | 有田市宮原町滝川原498ノ2 |
HPで販売 ※送料別 |
http://www.ito-noen.com/ |
和歌山高野七味唐辛子
封筒800円、手ぬぐい1500円(12g)
①ねごろ大唐(だいとう)②赤唐辛子③仏手柑(ぶっしゅかん)④サンショウ⑤ユズ⑥黒ゴマ⑦シソ
高野山開創1200年を記念し、ねごろ大唐と仏手柑をブレンドして作られた七味唐辛子。ツンとした唐辛子の香りと、かんきつ系さわやかな香りが印象的。パッケージは梵(ぼん)字をあしらったおしゃれなデザインで、ポチ袋やタペストリーとしても利用できます。
お問い合わせ | くちの屋 |
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電話 | 0736(62)7086 |
住所 | 岩出市中島76ノ4 |
HPで販売 ※送料別 |
http://www.kuchinoya.com/ |
紀の国ふじしろ七味
5g 648円
①鷹の爪唐辛子②サンショウ③陳皮④ショウガ⑤煎茶⑥肉桂(にっき)⑦ステビア
今年の1月17日に販売し始めたばかりの新商品。試行錯誤した結果、和歌山産の肉桂、熊野地方の煎茶、甘味の強いハーブ・ステビアという異色の薬味をブレンド。スパイシーでありながら甘味があり、スイーツとの相性もばっちりです。同店でも購入可能。
お問い合わせ | ヘアースペース・インディゴ |
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電話 | 073(483)1008 |
住所 | 海南市名高533ノ19 コトブキビル4階 |
HPで販売 ※送料別 |
http://shop.wakayamaken.jp/shuroyasanshoya/item/5516/ |
二味
10g 648円
①鷹の爪唐辛子②サンショウ
紀州産の大粒のブドウサンショウと、辛さの中に甘みのある紀州産の鷹の爪唐辛子を配合。作り置きはしておらず、注文を受けてからサンショウを石臼で引くのがこだわり。ピリリとした辛味とフルーティーな香りが料理を上品に仕上げます。
お問い合わせ | 山本勝之助商店 |
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電話 | 0120(965)905 |
住所 | 海南市阪井679 |
HPで販売 ※送料別 |
http://www.kanneichi.com/ |
生七味
60g 540円
①唐辛子②サンショウ③陳皮④ショウガ⑤ゴマ⑥ノリ⑦ユズ皮
7種類の素材に、うま味調味料を加えてじっくりと煮込んだウエットタイプの七味。ゴマの香りが香ばしく、サンショウのピリピリとした刺激が舌に残ります。ふりかけのように白ご飯にかけてもGood。休暇村紀州加太や紀ノ川サービスエリア(下り)でも販売。
お問い合わせ | オカザキ紀芳庵 |
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電話 | 0736(43)1401 |
住所 | 橋本市高野口町大野1807ノ16 |
HPで販売 ※送料別、人気商品のため発送に時間がかかる場合あり |
http://www.koyasan.com/ |
七味唐辛子って、いいね!
多数の成分を一度に摂取
相乗効果が期待される
七味唐辛子は、江戸時代に七味唐辛子屋の〝からしや徳右衛門〞が両国の薬研堀で漢方として売り出したことから始まります。もともとは漢方薬でしたが、そこからヒントを得て、七味唐辛子が作り出されました。
前ページでも9種類の薬味を挙げましたが、七味唐辛子に配合されている薬味はいくつもあり、食品としても重要な栄養を持っています。これらの薬味にはどのような効果があるのか、和歌山信愛女子短期大学の生活文化学科食物栄養専攻の堺みどり教授と西出充德講師に話を聞きました。
「七味唐辛子は二辛五香といわれ、唐辛子とサンショウの辛味に、ほか5種類の香味が加わって成り立っています。七味唐辛子の代表的な薬味である唐辛子には、辛味の主成分である〝カプサイシン〞が含まれています。これは中枢神経を刺激し、代謝を高めます」と西出講師。
「カプサイシンには、血管の拡張や脂質の代謝効果があり、血液の流れを良くしたり、体温の上昇といった働きがあります。唐辛子がダイエットに良いといわれるゆえんもここからきています」と続けます。
また、サンショウには、香りや辛み、痺(しび)れなどの作用があり、食欲増進や代謝を高めます。食中毒予防として用いられることもあります。他にもさまざまな作用があり、それらを一緒に取り入れることで、相乗効果が期待されます。
堺教授は、「スパイスには、香りづけの役割を果たす『賦香(ふこう)』、臭みを消す『矯臭(きょうしゅう)』、味を感じさせる『呈味(ていみ)』に、『色づけ』の4つの作用があります。心地よい香りで料理の味を引き立て、そして体の健康にも良いとなるとますます欠かせませんね」とにっこり。
もちろん七味唐辛子は体にいいものですが、食べ過ぎは禁物。過剰に取ると、胃の粘膜を傷つけ、体を壊してしまいます。適度に摂取するよう気をつけましょう。
また、保存の際は、冷凍庫で保存すると風味が維持できます。普段使いに使用する分だけを別の容器に移し、冷蔵庫で保存すると、いつもおいしく食べられます。
七味唐辛子の主な薬味 栄養がいっぱい!
唐辛子
カプサイシンは中枢神経を刺激します。そして、副賢からアドレナリンが分泌され、体脂肪の分解に働きかけます。血行が良くなり、体温上昇につながります
サンショウ
サンショールなどの成分には、爽やかな香りや辛味のほかに、痺れさせる作用があります。食欲増進や代謝を高めるほか、食中毒予防に用いられます
ショウガ
辛味の主成分はジンゲロンとショウガオールと呼ばれるもので、強力な抗酸化作用があります。強い発汗作用や殺菌作用、食欲増進作用があります
陳皮
ミカンの皮を乾燥させたもの。血行促進効果があるため、袋などに詰めてミカン風呂に利用されています。ほか、発汗作用やせき止め作用やもあります
ゴマ
数種類の不飽和脂肪酸と脂質、その他タンパク質と各種のミネラルで構成。不飽和脂肪酸は主にコレステロールを下げる働きがあります
青ノリ
ミネラル、ビタミン、食物繊維、カルシウムがたくさん含まれています。中でも、鉄分は驚くほど豊富で、貧血予防になります
シソ
カロテン(ビタミンA)の多さは、野菜の中でもトップクラス。ほか、カルシウムや鉄分、ビタミンも豊富です。爽やかな香りには、防腐・殺菌作用もあります
ケシの実
ミネラルやビタミン類、食物繊維がバランスよく含まれています。特にカルシウムが豊富に含まれており、骨や歯を丈夫にしてくれます
アサの実
ミネラルがバランスよく含まれた栄養価の高い食品。良質なタンパク質には必要なアミノ酸もたっぷりで、生活習慣病を予防する食物繊維も豊富です