令和のテレビ事情
競合ではなく〇〇!?
どの業界でもライバル会社の動向を分析し、勝とうとするのは当たり前のこと。放送局も同様に、他局と激しい視聴率争いをしている。例えば、ドラマ初回の裏に強い特番をぶつけたり、放送開始時間を早めて出し抜こうとするのは常とう手段だ。
だが近年、そんな関係に変化が。競合が、自社ではなく他局の番組を制作しているのだ。といっても、制作しているのは、その局の子会社。有名なのが、NHK「チコちゃんに叱られる!」を制作しているのが、フジの子会社・共同テレビだ。立ち上げ当時の演出は、かつてのフジ局員・小松純也氏。フジから共同テレビに出向し、番組を制作した。
この他にもNHKのドラマには日テレ、TBS、テレ朝の子会社が制作した番組が多く放送されている。その背景は、各子会社の売り上げが年々減っていることが大きい。そこに民放の制作力を求めるNHKとマッチした。今後もこの流れは止まらないだろう。
僕が担当する特番も競合他局の子会社が制作することが決まっている。ネットメディアが隆盛の今、テレビは競合ではなく、協同の時代へ入っていくのかも。
テレビのツムジ 関西の放送作家がバッサリ!
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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