今年度の健康診断(健診)はもう受けましたか。受けていても診断結果を確認せず、放ったままにしていませんか。今回は健診について、日本赤十字社和歌山医療センター健診部・東義人部長に話を聞きました。
元気な毎日のためにがん検診も受診を
健診には、会社勤めの人に対して年1回義務付けられている法定健診(定期健診)、生活習慣病の予防を目的とした40歳~74歳の特定健診、それ以外の人が対象の任意健診などがあります。単に受けたら終わりではなく、毎回診断結果をきっちりと確認し、正しく理解することが肝心。「健診は、病気の早期発見だけでなく、将来の病気の予防にもつながります。将来の健康を守るためにも、検査結果が“要医療”“要精密検査”のときは、必ず医療機関を受診してもらいたいです」と話すのは、日本赤十字社和歌山医療センター健診部・東義人部長(写真)。
では、結果により、どんな病気・症状が推測されるのでしょうか。「例えば、血液検査で見ると、白血球の数が1万以上のときは白血病、赤血球が少ないときは貧血症、血小板が10万以下のときは特発性血小板減少症などの可能性が考えられます。他にも、肝機能や腎機能障害が見つかることもあります」と話します。
また40歳からは、血圧、血糖、コレステロール(LDL、中性脂肪)の数値を要チェック。東部長は、「高血圧や高血糖、脂質異常症の状態が続くと動脈硬化を起こしやすくなり、脳出血・脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが上がります」と説明。続けて、「健診で“気になる結果だった”という人は、症状がないからといって放ったままにせず、症状が現れないうちに、かかりつけ医などで診てもらいましょう。健診の結果が“要医療”“要精密検査”の人が、当医療センターの専門診療科での治療につながるケースもあります」とアドバイスします。
他、対象年齢によって市町村の助成が受けられる「がん検診」も合わせて受診を。東部長は「医療の進歩で小さながんも見つかる時代。自身の健康状態を確認することで生活の質を守り、元気な毎日を過ごしましょう」と呼び掛けています。
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