今年もやってきました 新米の季節です!
- 2016/9/22
- フロント特集
炊きたてのご飯がたまらなくおいしくなる季節がやってきました。和歌山産の新米も出始めています。地域によって、栽培方法や品種もさまざま。今年は、コメの食べ比べを楽しんでみてはいかがでしょう。
とれたて新米のうま味を堪能
天候や栽培方法で味が変わる
秋は新米の季節。釜のふたを開けた瞬間、新米の甘い香りが立ち上がり、程よく水分を含んだ白く輝くごはんが顔をのぞかせます。とれたばかりの米のうま味を堪能できるのは、この時期ならではのぜいたく。
産地や銘柄、その年の天候で収穫の時期は違いますが、和歌山県は8月上旬〜10月中旬ごろにかけて南から北上。同じ品種でも、生産者・産地・天候・栽培方法などで、味が変化するのも魅力の一つです。
しかし、生活環境の変化などから、国内の一人当たりのコメの消費量は減少傾向が続いています。農林水産省の調査では、昭和37年度の118キロをピークに、平成27年度は55キロと約半分まで減少。生産者の確保と耕作地の維持も課題となっています。そんな中、新銘柄やブランド米の誕生など市場開拓に挑み、現状を打破しようとする動きもあります。
そもそも日本の稲作文化の歴史は古く、中国大陸から伝来したといわれています。稲の生育と豊作を祈った儀礼や祭りは、今でも各地で伝承。コメづくりは、食だけではなく、日本の伝統行事・文化をもはぐくんでいます。
下記では、県内のブランド米や取り組みなどを紹介します。
ブランド米で消費を喚起
県内各地で、コメの栽培法の研究・開発やブランド米の誕生など、さまざまな動きがあります。今回は3地域のコメを紹介します。
高付加価値としてブランド化が進む
日本人の主食・コメ。食の多様化を背景に消費の減少傾向が続く中、各地で、高付加価値として新銘柄の開発やブランド化を目指す動きがあります。和歌山県果樹園芸課に、県内の現状について聞きました。
「県内はキヌヒカリが5割弱を占め、イクヒカリ、コシヒカリが作付け面積の上位品種。地域でみると、田辺市を境に北がキヌヒカリ、南がコシヒカリが主です」と説明。県内の生産量は全国的にみても少なく、約3・4万トン。全国合計約744万トンの0・46%ほどです。(農林水産省「平成27年産水陸稲の収穫量」)。
「消費減少や生産調整など、生産量が少ないといえども取り巻く環境は厳しさを増しています。果樹や野菜、花きなどに転換することも。一方で、栽培方法にこだわるなど、ブランド化に取り組んでいる地域もあります」と話しています。
〝主食で健康〞日本米の価値を世界へ
コメの総合メーカーが和歌山に
農業分野から精米関連機器、精米・加工・販売、消費者の口に入るまで、一貫した事業を展開するコメの総合メーカー・東洋ライス(本社=和歌山市黒田)。同社が開発した機能性を高めたコメ「金芽米」「金芽ロウカット玄米」などが、健康志向の高まりから、日本だけでなく、北米や東南アジアなど世界から注目されています。
また、今年7月には究極の米を追求した1キロ1万1304円の「世界最高米」がギネス世界記録に認定。「おいしいは大前提。産地や生産者と協力し、日本のコメの質の良さ、健康への機能性を世界に発信していきます」と同社。未来を見据え、日本の農業の底上げの一躍を担おうと、コメの生産確保や価値向上を目指し、取り組んでいます。
問い合わせ | 東洋ライス |
---|---|
電話 | 0120(61)7550 |
ホームページ | http://www.toyo-rice.jp/ |
紀美野産・金芽米
栄養とおいしさの両立
昨年、紀美野産・キヌヒカリを使った「金芽米」が県産米として初めて販売されました。地域、企業、慶風高校が協力し、ブランド化に向けて取り組んでいます。金芽米とは、白米に精米するときに糠(ぬか)と一緒に除かれる、うまみ成分「亜糊粉層(あこふんそう)」を残した、栄養とおいしさを両立した健康志向のコメのこと。和歌山市のふるさと納税の返礼品としても選ばれ、人気を呼んでいます。コメ・ほうじ茶・梅干しのセット「和歌山の茶粥」もあり。お土産にもおすすめです。
問い合わせ | 朋久 |
---|---|
住所 | 和歌山市秋月198 |
電話 | 073(475)2882 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 土・日曜、祝日 |
天野米
厳しい基準で価値高める
高野山のふもと、標高450㍍に位置する天野。田園風景が広がる盆地は「にほんの里100選」にも選ばれています。ブランド「天野米」(キヌヒカリ)は、紀伊高野山系の清水を使って栽培。JA紀北かわかみの組合員でつくる「天野良質米生産部会」が手掛けています。有機配合肥料のみを使い、等級は1または2、さらに同会が定めた食味基準をクリアしたコメだけが、ブランドとして認定。地元でしか手に入らないので、毎年心待ちに、遠方から買い求めに来るリピーターが多くいます。
問い合わせ | コメールかつらぎ |
---|---|
住所 | 伊都郡かつらぎ町佐野185 |
電話 | 0736(22)8080 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 1月1日~3日 |
熊野米
ヒカリ新世紀で地産地消
平成20年、米屋や農家が集まり「熊野米プロジェクト」を始動。「めはりずし」などの郷土料理を地元産のコメで作って食べる“地産地消”を掲げ、活動しています。ブランド「熊野米」は、コシヒカリ系の新品種・ヒカリ新世紀を採用。栽培には、ウメの調味液を抑草剤として散布し、農薬や化学肥料を削減。甘く、粘りがあり、冷めてもおいしいのが自慢です。若い後継者や耕作地が増え、年々生産量も増加。「熊野米パン」の商品化の他、農工商連携で新事業にも取り組んでいます。
問い合わせ | たがみ |
---|---|
住所 | 田辺市湊1196-6 |
電話 | 0739(22)0106 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 日曜 |
ホームページ | http://kumanomai.com/ |