2025年4月から4号特例が縮小
リノベの家も新築同様に建築基準法に応じて改装しないといけないの? シリーズ5回目は、紀州材などを使った木造住宅の設計や施工を手掛ける「鈴建」(和歌山市府中)の代表取締役・鈴木善仁さんに、「建築確認」が必要なリノベ物件や工事内容について聞きました。
まず、建築基準法とは? 「建物の建築や増改築に対して、用途、構造、設備、敷地に関する最低限のルールを定めた法律です」と、鈴木さんは説明。「建築確認」は、同法や市町村の条例に適合した建物であることを、設計図書などの関連書類で証明し、市町村の建築主事などから確認を得るものです。
「既存物件をリノベする場合、同物件が『4号建築物』に当たるなら、『4号特例』が適用され、基本的に建築確認は不要です」と鈴木さん。この「4号建築物」とは、建築基準法第6条に基づき、2階建てや平屋の木造住宅で、延べ床面積が500平方メートル以下の建物が該当します。ちなみに、1号は特殊建築物、2号は大規模木造建築物、3号は木造構造以外の建築物に分類されます。「現状では、住宅のリノベ工事で建築確認が必要なのは、4号を除いた建築物で、屋根吹き替えや外壁改修、間取り変更、フルリノベなど。建物の2分の1を超える大規模な修繕や模様替えや、10平方メートル以上の増築は4号も該当します」と、鈴木さん。
しかし、2025年4月から、建築基準法の改正により4号特例が縮小。「木造2階建てや延べ面積200平方メートルを超える木造住宅の平屋は『新2号建築物』に、200平方メートル以下の木造住宅の平屋は『新3号建築物』に振り分けられ、耐震や省エネ性能に関する建築確認が要求されることがあります」とも。
書類作成や手続きは建築士が代理で行うため、その分コストアップにつながります。予算が気になるなら、改正前にリノベを済ませるのも一案ですが、「改正後の基準に合わせた家づくりをすれば、家の性能が高まり、資産価値も上がりますよ」と、鈴木さんは最後に話していました。
関連キーワード