雨漏りや耐震構造チェックは慎重に契約時は瑕疵担保責任の有無を確認
土地や住宅の売買・賃貸について、具体的な手順を解説するシリーズ。2回目のテーマは「中古住宅を購入するとき」。今回も、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんに教えてもらいました。
新築に比べて安価で購入できる、賃貸ではできないリノベーションで好みの住まいにできるなどの理由で、近年中古住宅の需要が高まっています。ですが、中古物件を購入する際には、探し方など注意する点がさまざま。
中古住宅探しは、不動産会社に予算を伝えてから始めます。「住宅自体の金額に加え、リノベーションの費用、仲介手数料、登記費用などがかかってきますので、総額の予算を出しておきましょう。自己資金、借入についても伝えてください」と末吉さん。諸費用がかかるということも把握した上で、無理のない予算立てをすることが大切だそうです。
物件探しでの留意点は、思い通りに改築・改修できるのか、耐震基準を満たしているか、建物の検査済み証があるか、また、給排水施設の故障がないかなど。「雨漏りやシロアリの被害がないか、建物の躯体(くたい)の耐震面に心配がないかといったことは、専門業者にみてもらうことをおすすめします」
契約へと進んだ場合にも、エアコンや照明などの付帯設備がそのまま使えるかなど、引き渡しの状態を確かめておく必要が。「売主が不動産業者であれば、外部から容易に発見できない構造部の欠陥や建物の雨漏りなどが後から見つかった場合、契約解除や損害賠償の請求をできるケースもあります。これを『瑕疵(かし)担保責任』というのですが、この有無の確認は必須」と。もっと詳しく知りたい人は宅建協会の「不動産無料相談」へ。
中古住宅購入の主な手順
(1)不動産業者に諸費用を含む総額の予算を伝えて物件を紹介してもらう
(2)物件を実際に見る。リノベーションにかかる金額、耐震基準を満たしているかなどの状態を把握
(3)契約時には手付金を用意。引き渡しの状態なども契約書で改めて確認
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