世代の垣根を越えた人が集う〝第2の心のふるさと〞
中之島子ども食堂が開所
子どもの成長を見守る場
地域の活性化にもつながる試み
近年取りざたされている〝孤食〞や〝個食〞〝貧困〞などの食問題。訪れる子どもたちに無料で食事を提供する「子ども食堂」が全国で広がる中、和歌山市内でも取り組みが始まっています。
先月から、毎月第2・4水曜の2回、藤村茂記念柔道会館(和歌山市中之島)で「中之島子ども食堂」が開かれています。〝孤食〞や〝個食〞〝貧困〞に捉われず、近所の子どもから大人まで、世代の垣根を越えた人たちが交流。子どもの成長を見守る場であると同時に、地域活性化にもつながる試みとして他地区からも注目されています。
企画したのは、和歌山市内で速読教室や子育て相談などを行っている新家貢さん。一昨年、大阪市内の飲食店で一人で食事をしている若者の多さに驚き、「孤食ではなく、会話を楽しみながら食事をする機会をつくらなければ」と決意。県青少年育成協会の講座で朝飯会を提案するなど、誰かと一緒に食事を取ることの大切さを唱えてきました。
みんなで会話を楽しみながら食事を
今年に入り、自身が関わっている同会館で子ども食堂を開こうと計画。フェイスブックなどで呼びかけたところ、主婦や会社員など約10人のボランティアが集まりました。現在、食材のほとんどが提供された物でまかなわれ、ボランティアの協力で運営されています。
開所初日の4月13日は、近所の子どもや大人約50人が訪れ、食事を楽しみました。母親と訪れていた岡本呼春さん(11)は「親戚の人と集まって食べることはあっても、知らない人と一緒にご飯を食べることはありません。いつもと違う雰囲気で楽しいです」と笑顔。
新家さんは「食事を通して相手のペースに合わせたり、思いやったりする気持ちが生まれます。さまざまな事情を抱えた人、そうでない人も一緒に食事を囲む時間を大切にしたいです。心の居場所を探している人にとって〝第2のふるさと〞になれば」と話しています。
中之島子ども食堂
日時 | 毎月第2・4水曜日午後6時~8時 |
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場所 | 藤村茂記念柔道会館(和歌山市中之島) |
料金 | 子ども無料、大人300円 |
問い合わせ | 073(432)7775 090(6236)5827新家 ※参加、ボランティア、食材の提供など |
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