不動産のプロが伝授、知っておきたい賃貸の豆知識⑥ 災害に強い家を望むなら 防災を意識した住まい方を
- 2017/9/28
- ハウジング
共用部分は非常時の避難経路
命を守る家具の配置も考えて
8月26日号で紹介した和歌山県宅地建物取引業協会監修の「防災クイズ」は挑戦いただきましたか?今回は賃貸住宅の〝住宅防災〞について、同協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんに解説してもらいました。
「1981年6月以降に建築確認を受けた建物は、新耐震基準が適用されています。それ以前に建てられた建物でも、耐震診断・耐震補強が行われていれば基準はクリアしています。しかし、耐震基準は、家選びの重要な項目の一つではありますが、『住まい方』も防災に大きく影響します」と末吉さんは言います。
集合住宅の廊下、バルコニー、エントランスホールは共用部分で、非常時に避難経路として利用される場所。「玄関からの脱出が不可能な場合、住戸のバルコニー間にある『蹴破り戸』を蹴破って、避難はしごを使って建物の外に逃げなければいけません。その際、バルコニーに物が置かれていたらどうでしょう?」と警鐘を鳴らします。
さらに、「家具の配置も大事。命を左右しかねません」と付け加えます。ベッドの周りにタンスや本棚を置かない、家具はしっかり固定して、食器棚などの扉には開放防止グッズを取り付ける、ガラスには飛散防止フィルムを貼るといった、少しの気遣いから危機を逃れられることも。「家具の固定具については、壁に穴を開けると原状回復の対象になるケースもあるので、事前に家主に確認して。突っ張り棒とストッパーの併用でもある程度の機能は果たされます」
最後に、「和歌山市では寝室に煙式の住宅用火災警報器を設置することが義務付けられています。一方、一般家庭への消火器の設置義務はありませんが、備えておくことをおすすめします」と末吉さん。日ごろから防災を意識して暮らしましょう。
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