読者から質問を募り、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに答えてもらうシリーズ。6回目は、意外と多い〝私道を巡るトラブル〟について。都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4mの建築基準法上の道路に、2m以上接した敷地(土地)でなければ建てられないことが建築基準法で規定されています。“接道”するのが公道なのか私道なのか、結構重要なポイントです。
広くまとまった土地を複数に分割して建売分譲や土地分譲をする場合、どうしても既存の道路だけでは、接道義務を満たすことはできないため、区画内に私道が発生します。建築基準法上では、公道・私道の区分をさらに細かく、開発道路や位置指定道路、みなし道路などと規定していて、最終的に私道が公道に変わるケースもあります。
接道は公道であることが理想ですが、そう条件の良いところばかりではありません。一方、交通量の多い公道よりも、限られた人しか利用しない私道に面している方が、静かで安全というメリットもあります。では、質問者が気になさっているトラブルのこと、注意点をいくつかお教えします。
私道の所有者は、人・車両の通行や、水道管などを敷地に引き込むための道路掘削を制限したり、そのための承諾料を要求したりすることができます。そうした事態を避けるには、所有者と「無償通行・掘削承諾書」を交わすことが望ましく、私道の共有持ち分も含めて購入できる場合は、持ち分権に基づいて私道の権利を持つことができます。
他にも、私道の修繕費用が発生したり、道路の幅員が4m未満だと、建築制限の対象にも。公道か私道かは市役所、法務局に行けば確認できますが、困りごとがあれば、宅建協会に加盟する不動産業者にご相談ください。
宅建協会への質問募集中
「私道の通行の妨げで困っている」「“敷金礼金0円”って借りても大丈夫?」など、家・土地に関する素朴な悩み・疑問を募集。質問内容と〒住所、氏名(ペンネーム)、年齢、電話番号を明記し、〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社「宅建質問」係まで。メール(living@waila.or.jp)受け付けます。
問い合わせ | 073(471)6000 |
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