読者から質問を募り、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに答えてもらうシリーズの5回目は、〝中古住宅の耐震性〟について。ご存じの人も多いかと思いますが、1981年6月1日以前に建築確認申請が受理されている建物は旧耐震基準で建てられています。和歌山県では、旧基準の木造住宅の耐震化を推進。耐震診断の無料実施や耐震改修に補助金を給付しています。
耐震診断が必要か、必要でないかと聞かれると、診断を受けて、耐震改修を行った方が、安心して暮らせますよね。昨今、注文住宅の新築、分譲住宅の購入時に、「耐震性」を重視する人が増えているのも事実です。
ですが、中古住宅については、前もこちらのコーナーで取り上げましたが、建物の劣化具合や施工不良の有無などを確認する建物状況調査「ホームインスペクション」が主流になりつつあります。ホームインスペクションには、耐震性を計算する作業は含まれませんが、今後、住み続けていくために必要な補修箇所が明確に分かるので、検討されることをおすすめします(費用は自己負担です)。
ちなみに、81年6月1日以前に建てられた木造住宅であれば、耐震診断は無料で受けられます。市町村の窓口に申請書類を提出すると、県建築士会から耐震診断士が派遣され、診断して報告書を作成してくれます。
ただし、その建物の設計図面がなかったり、増改築をしていると、正確な診断ができません。また、診断結果を受けての補強設計・改修には、費用がかかり、補助金制度を活用しても、自己負担額はそこそこなものに。耐震診断・耐震改修の補助制度については県のホームページ(https://www.pref.wakayama.lg.jp/)に記載されています。
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