不動産にまつわる疑問に宅建協会が答えます③
農地の処分は厳しく難しい
増加する耕作放棄地問題
読者から質問を募り、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに答えてもらうシリーズの3回目は、〝耕作放棄地の問題〟について。食料自給率の低下、輸入農産物の増大や農産物価格の低迷、担い手不足などで、日本の農家は減少傾向にあり、農作物の栽培が行われていない耕作放棄地は年々増加しています。農地のことで頭を悩ませている人は多いのかもしれません。
まず、田んぼや畑、牧場などの売買は、宅地建物取引業法ではなく、農地法が適用されることをご理解ください。また、少子高齢化、人口減少が加速する中、都市機能や居住地域を中心市街地に集中させる「コンパクトシティ」の推進を政策に掲げる自治体が増えてきている今、農地の転用、処分が非常に難しくなってきていることも知っておいてください。その上で説明していきます。
両親が所有する田畑をどうにかしたいとのことですが、貸すことを考えていますか? 宅地への転用や売却を考えていますか? どちらにしても、市町村に設置されている「農業委員会」に相談してください。農地や採草牧草地の処分は、農業委員会の許可なしにはできません。それともう一点、その農地が、「市街化区域」「市街化調整区域」のどちらに該当するのかを確認してください。これは市役所で調べられます。
「市街化区域」であれば、比較的簡単に転用して土地活用することが可能です。「市街化調整区域」の場合は、「第1種農地」「第2種農地」「第3種農地」に区分され、第1種だと転用は原則不許可で権利移動、第2種は条件付きで、第3種なら原則転用が許可されます。転用、売買の際には近くの不動産業者にご相談ください。
宅建協会への質問募集中
「私道の通行の妨げで困っている」「“敷金礼金0円”って借りても大丈夫?」など、家・土地に関する素朴な悩み・疑問を募集。質問内容と〒住所、氏名(ペンネーム)、年齢、電話番号を明記し、〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社「宅建質問」係まで。Eメール(living@waila.or.jp)受け付けます。
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