不動産にまつわる疑問に宅建協会が答えます②
所有者不明の土地問題
まずは持ち主の特定から
読者から質問を募り、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに答えてもらうシリーズの2回目は、〝所有者不明の土地問題〟について。共働き世帯が増えた今、育児には祖父母の協力が不可欠。イマドキの土地探しは、〝実家の近く〟〝二世帯住宅〟も重要なキーワードに。そこにもしも空き家があるならば、手に入れたいと考える人も多いのでは。 譲ってもらうには所有者の特定が必要です。
まずはその土地の近くにある不動産業者に相談してみてください。「昔、売買や賃貸に携わった」というケースもありますし、同業のネットワークで、意外と簡単に所有者が判明するかもしれません。また、後々の売買のことも考えると、個人で交渉するより、仲介業者が入る方が安心して取り引きができます。
では、われわれがどうやって所有者を特定するのか。まず法務局で、登記簿謄本を調べ、記載されている所有者の氏名と住所を頼りに、コンタクトをとります。登記簿謄本は、所在と地番が分かれば誰でも閲覧できますが、転出や転居、または死亡しているなど、所有者になかなかたどり着かないのが現状です。
登記簿謄本で所有者が判明できない場合、市役所に行き、固定資産税の納税義務者を調べてもらいます。しかしながら、ここにも壁が。個人情報を教えてもらうことはできず、「空き家対策特別措置法」の観点から、行政に何らかの連絡を取ってもらい、返答を待つしかありません。その他、自治会長や地域住人などに聞き込み調査も行います。
所有者が見つかっても相続などによって複数人で共有していて、持ち分が複雑な場合も多く、こうした問題を解決するため、政府は法改正に向けて動き始めました。
宅建協会への質問募集中
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