ボードゲームを教育の場に活用
ポイントをまとめた冊子が発刊
- 2025/4/24
- コーナー
- LIVING Selection in 和歌山

日本ボードゲーム教育協会 理事 井村憲吾さん
【プロフィル】
プロ雀士でリビングカルチャー倶楽部フォルテ教室・麻雀教室の講師、学習塾ソフィカ塾長
ルーレットやカードなどを使い、テーブルの上に並べて遊ぶボードゲームの人気が高まっています。そんな中、プレーを通じて培われるコミュニケーション力や創造性、論理的思考力などを”学びの要素”として捉え、授業や講座など教育の場で活用する動きが出てきています。
けん引しているのが、研究者や学習塾経営者などでつくる「日本ボードゲーム教育協会」。昨年11月に、2冊目となる『ボードゲーム概論Ⅱ』を発刊しました。「新たな思考法を身に付けたり、自分の得意・不得意を発見したり、遊びながら多様な学びがでaきるのが、ボードゲームのいいところです」と話すのは、同協会の理事・イカ先生こと、井村憲吾さん。冊子では、17のゲームを取り上げ、ゲームの展開やプレーヤーの習熟に応じて変化する学びの要素と、教育を実践する上でのマナー指導や声の掛け方など進行上のポイントが分かりやすくまとめられています。
井村さんは子どもの頃、トランプゲームを通して同世代の子どもと交流する機会が多く、そのことによって世界が広がったとも。「人からの学びが多いのもゲームのいいところです」と言います。大学卒業後はAI関連の仕事に就いていましたが、ゲームがつないだ縁で1年半前、東京都から和歌山県に移住し、学習塾を開業。「自分は何が好きかとじっくり考えたとき、人に何かを教えることが一番合っていることに気付きました」と、笑顔をみせます。本業以外にも、プロ雀士・伊香保太郎として、麻雀教室の講師を勤めるなど、さまざまな顔を持つマルチプレーヤー。不得手なことを尋ねると、「絵を描くこと。うまく描けないんですよね」と苦笑。
塾の一室にはボードゲームがびっしり。井村さんは、「ゲームの法則や考え方を理解し、うまくいかなかったところを何度も繰り返し、クリアできたときの喜び。それは普段の学習にも通じるものだと思います。対面のコミュニケーションが希薄になる現代。ボードゲームを教育に生かそうする人たちの輪が広がっていけば」と話しています。
関連キーワード