「土地は地主、家は借地人」に所有権
土地は買わずに借りると、家づくりの費用を節約できる? 土地探しシリーズ9回目は、「借地権」のメリットや注意点について、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんに聞きました。
まず、借地権については、 「建物を建てる目的で、土地を借りる権利です。借地権が設定された土地に家を建てて住む場合、権利の存続期間中、地代と呼ばれる借地料を地主に毎月支払います」と、説明する末吉さん。コスト面のメリットについて、「土地の購入費や売買・融資にかかる諸費用が発生しない分、マイホームにかかる総費用を抑えられます。また、固定資産税や都市計画税など土地にかかる税金も、土地の所有者である地主に支払い義務が生じます」とも話します。
一方、家の所有権は、建て主である借地人に。そのため、賃貸住宅とは異なり、間取りやデザインなど希望を反映した家を建てることができます。「ただし、建物にかかる税金は借地人が負担。また、建て替えや大がかりなリフォームは、地主の許可が必要です」
借地権にはさまざまな種類があり、存続期間など契約の内容がそれぞれで異なります。「例えば、『一般定期借地権』なら、存続期間は50年以上で、更新はなし。契約終了後は更地にして返還します」と、末吉さん。「『建物譲渡特約付借地権』は存続期間が30年以上。土地を明け渡すときに更地にする必要がなく、建物は地主が買い取るなどの特約が入れられます。また、地主と借地人の合意があれば、賃貸借契約に切り替えて住み続けることもできます」
借地権は長期の契約形態。「契約を結ぶ前に、存続期間や更新の有無、借地料の値上げのような追加請求の対応など、しっかりチェックを」と、末吉さんはアドバイス。「土地家屋調査士や不動産仲介業者などの専門家に依頼して、近隣の相場と比べて借地料は適正か、契約内容に不備はないかなど契約時に確認し、書面に残した方が後々のトラブルを防げますよ」とも話していました。
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