相場より安い土地には“理由”あり
敷地を取り巻くさまざまな条件で、住宅の大きさや形状が決まります。理想の住まいを実現したいなら、土地選びは慎重に。シリーズ4回目は、「家を建てるのに注意したい土地」について、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんに聞きました。
「相場より安い土地は、不整形地や法律の制限があるなど、何か理由があります」と話す末吉さん。「旗竿地(はたざおち)」もその一つで、その名の通り、旗の形をした敷地です。道路に面した細い路地部分の先に、四角い土地が広がります。
「家を建てる部分が通りから離れているため、静かな住環境を期待できますが、採光や隣家とのプライバシーに配慮した間取りが必要な場合も。路地部分はアプローチや駐車場に活用します」
注意点は、「間口が狭く、重機が入りにくいため、職人の作業が増え、建設費が割高に」と末吉さん。「建物が奥まったところにあるので、水道や電気などのライフラインを引く場合、工費が整形地よりかさみます」とも。
「袋地」は、隣家に四方を囲まれ、道路に直接面していないのが特徴。「民法で囲繞(いにょう)地通行権という、隣地を使って出入りできる権利が認められていますが、使用スペースは最小限で、通行料が発生する場合も」
また、前回の6月29日号で伝えたように、家を建てるには、敷地は4㍍以上の幅がある道路に、2㍍以上接する義務があります。「家付きの袋地を購入して移り住むには問題ありませんが、再建築や大掛かりなリフォームとなると難しいですね」。一方で、建築基準法をクリアした旗竿地で、土地代を抑えつつ、設計を工夫して、資産価値のある快適な住まいがかなうケースもあります。
地盤改良が必要な傾斜地や造成地、津波・洪水・土砂災害の危険性が高い土地など、下がっている値段以上に安全性をプラスするための建築コストがかかる土地にも注意。「価格だけで飛びつかず、土地の条件下で自分たちが求める家を予算内で建てられるか、不動産仲介業者に相談してくださいね」と、話していました。
不動産に関する相談は宅建協会まで
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