私道の場合は権利関係を要確認
「家を建てる前に土地の勉強を」と関連本を開いても、専門用語ばかりが並んで理解不能…。「そんなときは、土地のプロ集団、和歌山県宅地建物取引業協会にお任せを!」と、同協会の広報啓発委員長・武田雅博さんが明るく答えます。「土地の法規制」を分かりやすく伝えるシリーズの2回目は、「敷地と道路の関係」について解説します。
まず、住宅は都市計画法により、「都市計画区域」で建てることが一般的なのは前回説明した通り。「そしてこの区域内で家を建てるには、建築基準法により、原則として幅が4メートル以上の道路に2メートル以上接した敷地でなければいけないという決まりがあります」。その主な理由は災害時の避難経路や救急車両の出入りスペースの確保のためで、「『接道義務』と呼びます」と、武田さんは説明。
しかし実際には、幅が4メートル未満の道路も多くあるため、行政が指定した場合は建築基準法上の道路として扱われます。「『2項道路(みなし道路)』と呼び、道路の中心線から敷地側に2メートル後退させれば建築が可能。これを『セットバック』と言います」。敷地と道路の境界線が敷地側に下がるため、敷地面積が減る半面、セットバック部分の固定資産税や都市計画税を払わなくていいなどの特徴が挙げられます。
接道が私道の場合は少々厄介な手続きが必要なことも。「個人などが所有する私道では、人・車両の通行や、水道管の道路掘削などに所有者の同意が必要になります」。また、すでに建物が建っている土地でも、接道条件が満たせないと建て替えができないこともあるそうです。
権利関係や法律など対応しなければならない問題がある一方で、私道に面した土地は、周辺相場価格を下回ることが多いというメリットも。「気になる土地があって予算や立地条件が希望に合う場合は、『私道物件だから』とあきらめる前に、専門家に相談してみては。宅建協会に加盟する不動産業者がお手伝いします」と、武田さんは話していました。
不動産に関する相談は宅建協会まで
お問い合わせ | 073(472)4600(午後1時~4時半) |
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