ビロードのうさぎ

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雪降る町へゴリちゃんを求めて
パパサンタが東奔西走!

クリスマスが近づくと『ビロードのうさぎ』(出版=ブロンズ新社、マージェリィ・W・ビアンコ・原作/酒井駒子・絵・抄訳)が読みたくなります。

酒井駒子さんの絵が好きで、多分全部の絵本を持っていますが、とりわけ『ビロードのうさぎ』は、色、質感、構図ともにすばらしく、おまけにかわいくて、ずっと抱きしめていたいほどいとおしい作品です。

「こころからたいせつに、だいじににおもわれたおもちゃはほんとうのものになる」というテーマの奥深さ。そして子ども部屋の妖精がうさぎを「ほんとうのもの」にしてくれる場面は、何度読んでも魅了されます。

子どもたちが幼いころ、イブの夜には枕元にプレゼントを置いていました。クリスマスが近づくとサンタさんへ「〜がほしいです」と手紙を書いてもらい、それを亭主が用意するわけですが…。

わが家の次男も『ビロードのうさぎ』のぼうやと同じでぬいぐるみが好きな男の子。ある年のサンタさんへのお願いは「ゴリちゃん(等身大のゴリラの人形)をください」でした。

売っている店は分かっていましたが、あまりに大きすぎて隠す場所に困り、ぎりぎりまで買わずにいました。ところが、イブ前日にその店に行ってみると、ゴリちゃんは売れてなくなっていたのです。夫婦げんか勃発!

予約せずにいたことを日頃の計画性のなさとともにさんざん私になじられた後、亭主は雪の舞うイブの町にゴリちゃんを求めて東奔西走。「見つけた」と電話があったのは日も暮れかけたころ。かくして亭主はサンタさながらに大きな袋を背負って心斎橋を闊歩(かっぽ)して帰ってきました。そしてクリスマスの朝、目覚めて発した次男の「ウッギャー」という喜びの雄たけび。

あれから20年…。主の去った子ども部屋に残されたゴリちゃんと、それを相手にお酒を飲む亭主。その姿はせつなげです。

名前なりきよ ようこ
プロフィル絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。
保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表

子育て・教育

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