ノスタルジックな漁師町に新しい風
雑賀崎でまち散歩
- 2023/5/18
- フロント特集
日本のアマルフィと呼ばれる街並みの風景がノスタルジックな漁師町・雑賀崎。まちを見下ろす高台に新しい公園が整備されました。カフェや食堂などの店舗もお目見え。新しい風が吹く雑賀崎のまちを訪ねました。
池田佳祐・美紀さん、慈雨くん
Uターンして雑賀崎で漁師になった池田佳祐さんと妻・美紀さん、息子の慈雨くん。漁家民泊「新七屋」をはじめ、民泊近くに食堂を開店。宿泊者や地元の人たちの交流の場となっています。
“日本のアマルフィ”のシンボルに
旧雑賀崎小学校跡地にレモンの丘公園
和歌山市随一の景勝地である和歌浦湾に臨む漁師町・雑賀崎。山の斜面に家が建ち並ぶ景色が、イタリアの世界遺産都市・アマルフィに似ていることから“日本のアマルフィ”と呼ばれ、テレビなどにも取り上げられるようになりました。
そんな雑賀崎のまちの高台、旧雑賀崎小学校の跡地に、今年3月「レモンの丘公園」が完成しました。2019年にアマルフィ市長が雑賀崎を訪れたことをきっかけに、自治会の有志が荒れ地となっていた小学校跡地を整備し、アマルフィ市の特産物であるレモンの木を植えようと計画。21年12月に在大阪イタリア総領事を迎えてレモンの木3本が植樹され、この場所を「レモンの丘」と名付けました。
その後、和歌山市により公園整備が事業化、ブランコやベルのモニュメント、ソーラー照明などが設置され、雑賀崎の街並みや漁港が一望できる公園に生まれ変わりました(記事下部で紹介)。「ここに通っていたお年寄りもいるので、地域の人たちに親しみのある場所。これからはアマルフィ市との交流のシンボルとしても、広く知られるようになるとうれしい」と、雑賀崎地区連合自治会の寺井節次会長は話しています。
増える空き家を活用して
新たな魅力を感じられるまちに
地域内外にアピールできる新たなシンボルが生まれた雑賀崎ですが、高齢化や空き家問題といった課題も抱えています。
「空き家が多くなっているのは事実ですが、雑賀崎には海辺のまちとしての魅力があります。“海が見える家に住みたかった”と、県内外から移住してくる人もいます。雑賀崎の良さをより多くの人に知ってもらってファンが増えると、このまちに関心を寄せる人も多くなると思います」と、寺井会長は願いを込めます。
雑賀崎出身の池田佳祐さん(写真上)は、代々続く漁師を継ごうと4年前にUターン。漁師をしながら、一昨年前に漁家民泊「新七屋(しんちや)」を開業。古民家をリノベーションした一棟貸しのゲストハウスで宿泊者を受け入れています。さらに、宿泊者と地元住民に向けた食堂「うみまち食堂うらら」を今春にオープン。こちらは主に妻の美紀さんが切り盛りしています(記事下部で紹介)。
「新七屋」は、移住希望者が雑賀崎の暮らしを体験できる和歌山市の「お試し居住施設」でもあり、通常宿泊料よりも安い「お試し居住プラン」を設けて移住希望者を支援。また、池田夫妻を含む若手有志が、雑賀崎への移住を促進するNPO法人を立ち上げようと準備中。自治会とも連携し、移住希望者が活用できる「空き家マップ」の作成を進めています。「雑賀崎に興味があり、住みたい、ここで子育てをしたいと思っている人たちと地域との橋渡しをしたい」と、夫妻は話しています。
寺井会長は、「レモンの丘公園や砲台跡のトンガの鼻、雑賀崎灯台など、地元の私たちが大切にしている“宝”を訪ねてもらえるようなイベントを企画し、雑賀崎の魅力を発信していきたい」とも。ノスタルジックな街並みに、新しい店や名所ができた雑賀崎を訪ねてみませんか。
新旧の魅力が融合するまち
歩いてみよう雑賀崎
新しいお店やスポットが登場している雑賀崎を訪ねてみませんか。アップダウンはありますが、漁港から細い路地を抜けてレモンの丘公園に行ったり、砲台跡のトンガの鼻や雑賀崎灯台まで足を延ばすこともできます。雑賀崎の新しい風を感じてください。
①地元の人たちが整備した道を通って広場まで。爽快な眺め
②夕日が美しいスポット。灯台のふもとには広場があります
③【鮮魚の直接販売】5/20〜24は休漁、5/25から販売は午後6時半ごろから
︎出漁の状況はツイッターで日々発信→ @jf_saikazaki
A.レモンの丘公園
雑賀崎の漁港やまちを一望できる高台にできた公園。ブランコにベルのモニュメントがあり、眺めの良いポイントにはベンチも。アマルフィ市との交流の記念として、今はレモンの木が21本植えられています。すぐ横には、漁師がこの場所から海の様子を見ていたという「沖見の里」があります。
B.たこ焼きよしや
40年以上雑賀崎で愛されるお店。たこ焼きに加えて、ちくわとネギが入った「洋しょく焼き」(卵入り250円)が素朴な味わいで人気。値段も昭和価格!
問い合わせ | 073(445)7680 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1308 |
営業時間 | 午前9時半~午後3時半 |
定休日 | 1日、11日、21日、31日(1の付く日) ※日曜と祝日は営業 |
C.西出水産
灰干しサンマをメインに、雑賀崎漁港や全国各地で水揚された魚を厳選し、灰干し製法で干物に仕上げています。うまみが凝縮された魚を味わってください。
問い合わせ | 073(444)7173 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎765 |
営業時間 | 午前10時~午後5時 |
定休日 | 火・土曜 |
備考 | 駐車場あり HP https://www.sanma.co.jp/ インスタ @nishidesuisan |
D.たかのすセンター カフェOcean
雑賀崎灯台に隣接するカフェ。1階のテラスや2階の展望デッキからは和歌浦湾が一望。ジビエバーガーやホットサンドなど、地元食材を使ったメニューが楽しめます。
問い合わせ | 070(2278)3386 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎811 |
営業時間 | 土・日曜午前11時~日没 |
定休日 | 月~金曜 |
備考 | 駐車場あり ※駐車場利用1日500円、飲食利用200円金券付き インスタ @saikazaki.aiai |
E.おかず屋こじま
土・日曜だけ営業するテイクアウト専門の総菜屋さん。料理好きのご主人が昨年夏に出店。揚げ物を中心に、日替わりのおかずやご飯もの、お弁当を提供。
問い合わせ | 080(5355)1513 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1137 |
営業時間 | 土・日曜午前11時(または午後1時)~午後6時ごろ(なくなり次第終了) |
定休日 | 月~金曜 |
備考 | インスタ @okazuya.kojima |
F.うみまち食堂うらら
「新七屋」の宿泊者と雑賀崎住民向けの食堂として今年3月に営業スタート。高齢化で孤食になりがちな地域の人たちの交流の場になっています。今年夏ごろまでには地域外の人に向けても本格オープン予定。現在は予約により来店OK。
問い合わせ | 080(8882)7087 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1673 |
営業時間 | 火・土曜 午前11時~午後2時 |
定休日 | 月・水・木・金・日曜 |
備考 | 駐車場あり インスタ @ryoshinoyome |
G.青天の洞窟
4月28日にオープンした話題のカフェ・レストラン。大きないけすがあり、漁師から直接仕入れた魚介の販売も。釣った魚を料理人がさばいてくれて、刺し身にして持って帰ったり、店内飲食もOK。テラス席でバーベキューも楽しめます(要予約)。
問い合わせ | 073(423)2662(柚香) |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1863-22 |
営業時間 | 午前11時~午後3時(OS2時半) ※日曜、祝日は午後4時まで(OS3時半)、 バーベキューの利用時間は変更あり |
定休日 | 不定休(ツイッター@seitensaikazakiで確認を) |
備考 | 駐車場あり HP https://seiten.world/ |
H.MR.MAGIC(ミスターマジック)
薄い生地でサクサクした食感のローマピザを提供して約40年。素材はもちろん、生地やソースなど全て手作りにこだわっています。テイクアウト可。来店前に電話で予約を。
問い合わせ | 090(1221)3965 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎851-2 |
営業時間 | 午前11時半~6時(ディナーは要予約、1組限定) |
定休日 | 火・水曜 |
備考 | 駐車場あり※予約時に場所を要確認 HP https://mr-magic-3.jimdosite.com |
I.Fisherman’s Table&Stay 新七屋
漁師の池田佳祐さん(1面で紹介)が夫婦で営む1棟貸しの漁家民泊施設(最大5人)。魚介料理の提供(漁の状況による)や季節限定で海辺のアクティビティーも。
問い合わせ | 090(1446)0111 (受付時間は午後4時~8時) |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1546 |
営業時間 | 073(428)0281 |
定休日 | 073(428)0281 |
備考 | 駐車場あり インスタ @shinchiya_saikazaki |
J.さんまや
1962年創業、灰干しサンマを製造する中井水産の直売所。地元漁港で水揚げされた魚などで作る干物の他、土曜は地元名物のヨモギ団子「おおやさ」の販売も(予約優先)。
問い合わせ | 073(445)3089 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎762 |
営業時間 | 午前9時~午後5時 |
定休日 | 火・水曜 |
備考 | 駐車場あり HP https://www.sanmaya.com/ |
K.LeVogue1008(ル・ヴォーグ)
欧州の港町のような白い外観にカラフルな壁画。店内のショーケースには、ケーキが常時20種類並びます。カレーやキッシュなどのランチもおすすめです。
問い合わせ | 073(488)8446 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1008 |
営業時間 | 午前11時~午後6時(OS5時半) ※ランチは2時まで |
定休日 | 火曜 |
備考 | 駐車場あり(A〜D) インスタ@levogue1008 |
L.中出商店
野菜や果物、お菓子、調味料などが並ぶ地域の“ミニスーパー”。地元雑賀崎「なかぐち」のあせずしや、木・土曜は同市西浜の「Cina(シーナ)」のパンが店頭に。人気につき早い者勝ち!
問い合わせ | 073(444)2955 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1681-2 |
営業時間 | 午前5時半~午後4時 |
定休日 | 火・水・金曜 |
M.Jack Island(ジャックアイランド)
ジャックパパこと、オーナー自らがリノベーションした南国風のカフェ。薄焼き卵で包む自慢のオムライス(700円から)は、ケチャップやカレー、グラタンなど、バリエーション豊か。
問い合わせ | 090(2045)4767 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1010 |
営業時間 | 午前11時~午後3時 |
定休日 | 木・金曜 |
備考 | 駐車所あり(E~H) |
N.Café 海街日記
大阪から移住してきた夫婦が営むカフェがこの春オープン。濃厚な甘みの足赤エビがトッピングされた「足赤エビのスープカレーランチ」(1380円)など、地元の魚介を使った料理を楽しめます。テラス席で潮風に吹かれながら味わって。
問い合わせ | 073(488)1228 |
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住所 | 和歌山市雑賀崎1860 |
営業時間 | 午前11時~午後8時 |
定休日 | 木曜 |
備考 | 駐車場あり インスタ @umimachinikki_saikazaki |