和歌山らしさや独自性の高さなどが評価
“和歌山ならでは”“和歌山らしさ”の視点で評価した産品を、県が認定する「プレミア和歌山」の2022年度推奨品に48事業者92商品が決定。最高賞の審査委員特別賞に、日高川町生活研究グループ美山支部(日高川町川原河)のイタドリの煮付け「ごんちゃん」が選ばれました。
「ごんちゃん」は、山菜の一種、イタドリの柔らかな茎を煮付けたもの。同地域では別名「ごんぱち」と呼び、春の味覚として家庭の食卓に並ぶなど、古くから親しまれてきました。食べる習慣は全国的にも珍しいとされていますが、同グループは約35年前に、家庭の味をアレンジし、県内で初めて商品化。シャキシャキ、コリコリとした食感や、酸味と塩味のバランスのとれた味付けに“はしが止まらない”と、販売以来売れ続けるロングセラー商品に。今回の受賞では、他社にはまねできない味に加え、独自性の高さなどが評価されました。
先月、和歌山市内で行われた発表・表彰式で、同グループ・イタドリ部会長の竿本みき代さんは、「イタドリを食べる文化を守るため、今後も作り続けていきます」と喜びを伝えていました。
奨励賞には、「紀州漆塗り」と「熊野黒竹」を取り入れたコチョウランのアート作品「胡蝶蘭(フォアスSOSO)」(ヒカル・オーキッド、有田市千田)、希少な日本みつばちの蜂蜜を遠心分離機は使わず時間をかけて蜜を落とす「垂れ蜜」の方法で採取した「南紀 熊野蜜」(ベリー工房髙田、古座川町洞尾)、樹上で完熟させたミカンを新鮮なうちに搾り、雑味のないミカン本来のうま味を果汁にした「マルケンみかんジュース賢宝(けんぽう)」(マルケンみかん、有田川町賢)が選ばれました。今回の認定で、推奨品累計427事業者1264商品となりました。
食文化を後世へ
イタドリは3~5月が収穫時期。日高川町生活研究グループ美山支部では60~80代の部員16人が収穫から、味付けまで一貫して手作業で行っています。ただ、近年はシカが食べるなど、収穫量が減っているとのこと。地域の食文化を後世につないでいこうと、協力者を募り、耕作放棄地を活用して栽培するなどしています。「ごんちゃん」は「道のほっとステーションみやまの里」(日高川町初湯川)で販売されています。
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