カーボンニュートラルな暮らしを実現
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネ・ゼロエネ住宅が推奨されています。今回は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)について、「みやびホーム」(和歌山市手平)代表・藪雅仁さんに話を聞きました。
高気密・高断熱に優れた換気システム、高効率な設備で、快適な室内環境を保ちつつ二酸化炭素の排出量を抑え、太陽光発電システムなどでエネルギーを生み出して、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅がZEH。「まさに“ゼロエネ住宅”。われわれ業界では、ZEHという呼び方はちょっと古臭くなってきていて、お客さんにもゼロエネと説明しています」と藪さん。
その認定基準は、断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)が0.6以下(0.87以下で断熱等性能等級4レベル)、一次エネルギーの消費量は省エネ基準より20%以上削減。そして、再生可能エネルギーを導入すること。政府は新築住宅を“ZEH標準”にしようと取り組んでいることもあり、長期優良住宅や低炭素住宅と同様の税金や住宅ローン金利の優遇に加え、補助金制度を設けています。基準を満たすと、環境省は60万円、国土交通省は上限140万円の補助金を交付(併用不可)。「140万円あれば、太陽光発電システムの設置費用がほぼまかなえます。ただし、国交省の補助金は『地域型住宅グリーン化事業』の採択を受けた事業グループのでないと適用されないので、施工業者に確認を」とのこと。また、両省とも補助金交付の公募期間・予算があり、必ず受けられるとは限りません。
“省エネと創エネ”でエネルギー収支をプラスマイナスゼロに…、理屈では理解できますが、実際に実現可能なのでしょうか。「建物の隙間をなくし、断熱を強化すれば、少しのエアコンで快適な室温を保てます。そこに、パッシブデザインの考え方も取り入れれば、より住宅性能はアップ。創エネは、4人家族なら7~8kwの太陽光発電を搭載すれば、カーボンニュートラルな暮らしで家計にもやさしく…。完成見学会などでZEH仕様の家を体感してもらうと、その良さが実感できると思います」と、藪さんは話していました。
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