価格と性能のバランス良く、税制優遇も
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、改めて脚光を浴びる木造建築に続き、国が普及に力を入れる長期優良住宅、標準化を目指すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など、人にも環境にもやさしい省エネ・ゼロエネ住宅についてそれぞれの特徴、認定を受けるメリットを伝えていきます。今回は、長期優良住宅について、「丸良木材産業」(和歌山市栗栖)の営業部長・阪井久純さんに話を聞きました。
長期優良住宅は、良好な状態で長く住み続けられるよう、その措置が構造や設備に講じられた住宅のこと。新築戸建ての場合、①劣化対策②耐震性③維持管理・更新の容易性④省エネルギー性⑤居住環境⑥住戸面積⑦維持保全計画の性能項目で、国が定めた基準を満たせば、長期優良住宅と認定されます。
「“認定”を受けるかどうかは自己判断ですが、当社はその基準を満たすことを標準仕様としています。なぜなら、価格と性能のバランスが良いから」と、阪井さんは言います。
近年、国が推奨し始めたLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅は、長期優良住宅より省エネ性能の基準が厳しく、エネルギーを創り出す“創エネ”も求められ、わりと“高嶺(たかね)の花”。
「性能を上げるとそれだけ建築コストもかさみます。資金に余裕があれば別ですが、皆さんそういうわけには…。省エネ性能、耐震性に優れていて、メンテナンスをしながら長く暮らせる長期優良住宅は、“手の届くサスティナブルな住まい”だと思います」と阪井さん。
申請して認定されれば、住宅ローンの金利の引き下げ、住宅ローン控除の拡充、登録免許税の税率引き下げ、固定資産税の減税期間延長、地震保険料の割引など一般住宅よりも手厚い優遇が。さらに、地域の工務店で建築すると、「地域型住宅グルーン化事業」の対象となり、補助金がもらえるケースもあります。
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