サイクリングをする人に向けた施設も充実 始めよう! サイクリングライフ

サイクリングをする人に向けた施設も充実

始めよう! サイクリングライフ

観光振興を進める「サイクリング王国わかやま」

 心地良い風が吹き、行楽に最適な季節。移動手段はどうしていますか? 運動を兼ねて、自転車で景色や食楽しむ「サイクリングライフ」を始めてみませんか。

県内11コース・800kmのコースが設定

 サイクリングは、ランニングやウオーキングなどと並ぶ有酸素運動の代表格。最近は、健康維持に加え、節約、エコロジーなどの視点から、通勤や普段の移動手段の一つとして自転車に乗る人が増えています。「周りの景色を楽しみながら自転車で風を切って走ると心地良く、爽快な気分になります。途中、寄り道をしてきれいな景色を見たり、ご当地グルメに舌鼓を打ったり、目的に合わせてコースを選ぶのも楽しいものですよ」と話すのは、和歌山県サイクリング協会の理事長・太田好昭さんと、事務局長・岡本弘さん。
 

「一緒に楽しみましょう」と話す岡本さん㊧と太田さん

 サイクリングでの観光振興を進める和歌山県は「サイクリング王国わかやま」として、県内を紀北、紀中、紀南と大きく3つの地域に分け、全ルートに山・川・海が含まれた11コース・計800kmのサイクリングロードを設定。推奨コースの道路路側帯には分かりやすく青いライン(ブルーライン)を引くなど、整備が進められています。他にも、「サイクルステーション」「サイクリストに優しい宿」など、施設も充実しつつあり、サイクリングの機運を高めています。

 一般的にサイクリングというと、専用の自転車「ロードバイク」のイメージがありますが、普段使いしやすい「クロスバイク」や段差に強い「マウンテンバイク」、ツーリングに適した「ランドナー」など、いろいろな種類のスポーツ自転車があります。

 岡本さんは「前傾姿勢で乗るスポーツ自転車と異なり、シティーサイクル(ママチャリ)は上体を立てて乗るので、全身の筋肉が働かず、サイクリングには向きません。ですので、本格的なサイクリングには、ぜひスポーツ自転車を使いましょう」と説明。その上で「自分だけの判断で決めてしまわず、どんな風にサイクリングを楽しみたいのかを自転車店で相談の上、自分に合った自転車を選んで購入することが大事です」とアドバイスします。

 自転車に乗るとき、守らなければならないのがマナーやルール。①車道の左側を通行②飲酒運転・二人乗りの禁止③夜間・トンネル内の点灯④信号、一時停止、交差点での安全確認⑤走行中の携帯電話やヘッドフォンの使用禁止、などがあります。太田さんは「“このくらいならいいだろう”と思わず、一人一人が気を付けることが大切です。当協会では、子ども~大人を対象に、定期的にさまざまなイベントを開いています。これから始めようと考えている人はぜひ参加を」と話しています。

旧和歌山街道~紀の川サイクリングロードを走る
11月10日(日)「秋の市民サイクリング」

集合 午前8時半に汀公園(和歌山市西汀丁
対象 小学4年生以上
自転車について スポーツ車(ママチャリ可)。点検修理がされていない不調な自転車の場合、参加できないことがあります。 ※レンタルスポーツ車あり(料金1000円、事前に連絡を)
持ち物 ヘルメット・グローブ・タオル・ドリンク・パンク修理用品・携帯電話・保険証コピーなど
参加費 一般1300円、小・中学生300円(保険料含む) 
締め切り 10月28日(月)
問い合わせ 073(426)3535和歌山県サイクリング協会事務局・岡本さん
※スケジュール、申し込み方法など詳細は電話で

 

仲間で、親子で 私たち自転車に夢中!

 サイクリングのグループを「リビング和歌山」ホームページ「健康トピックス」で紹介。

散歩感覚のポタリングを楽しむ
爽快感や開放感が心地良い

ゆったりとポタリングを楽しむ村田さん

 和歌山市内に勤務する村田真那美さんと松本千賀子さん。保健師に自転車通勤をすすめられたことをきっかけに、自社で行われているクロスバイクの貸し出し制度を利用しました。

 実際に乗ってみると、自転車でしか感じられない爽快感や開放感が心地良く、自転車を購入したという二人。通勤以外にも、仲間で企画したグルメツアー、四国などへの長距離ツアーなど県内外に出掛けています。

 自転車の魅力について、松本さんは「細い道に迷い込み、知らなかった店を発見すると、うれしくなります」と笑顔。村田さんは、「気の合う仲間とカフェや観光スポットに寄りながら、散歩感覚でゆっくりと走る〝ポタリング〟を楽しんでいます。私はスポーツの経験がありませんが、100kmの距離もつらくありません」と話します。

 でも、自転車の購入や長距離のサイクリングには不安がつきものです。

サイクリング仲間と走る松本さん

 松本さんは、「初心者でも心配はありません。自転車のイベントに行くと、さまざまな車種が見られますし、乗り方やパンクの修理なども体験できます」とアドバイス。続けて村田さんは、「走行後、(取り付けた)計測器の消費カロリーや走行距離を見ると、達成感が得られます。それに以前より太りにくくなった気も」と自身について話します。
 夏場は自転車通勤や遠出を控えていた二人。「秋は自転車の季節。今からワクワクしています」と、そろって目を輝かせています。

おすすめのコース
紀三井寺→玉津島神社→塩竈神社→和歌浦明光通り商店街でスイーツを食べる→紀州東照宮→和歌浦天満宮→不老橋→和歌浦で海を眺める

親子で挑んだ自転車レース
苦楽をともにした絆は二人の宝物

和歌山市の自転車チームに入って練習を重ねる篤宏さん㊧と修平さん親子

 岩出市の岡修平さん、息子・篤宏さん親子がサイクリングを始めたのは2015年、篤弘さんが小学4年生のとき。初の遠乗りで「アドベンチャーワールド」(白浜町堅田)までパンダを見に行きました。

 100kmを超える道のり。長距離の経験がない親子にとって、テント泊を挟む厳しいツアーとなり、到着したのが閉園の半時間前。「パンダには一瞬しか会えなかった」と篤宏さん。修平さんも「息子にはつらい思いをさせましたが、親子でいい冒険ができました。そして、二人ともサイクリングにはまりましたしたね」と話します。

 二人は自転車に乗るためのトレーニング、遠出を継続。2年後、長野県大町市を拠点とする山岳レース「北アルプス山麓(さんろく)グランフォンド」(同実行委員会主催)の150kmクラスに初参戦しました。篤宏さんはレース前半の下り坂で落車し、最終盤ではギアが動かない事態になったものの、そろってゴール。篤宏さんはその年の最年少完走者に。修平さんは、走り終えた瞬間の〝パパ、ありがとう〟という篤宏さんの言葉を思い出し、「レース中、息子には自分の弱い所をたくさん見せました。ダメな父親だったのに、ありがとうだなんて…、泣けました」と話します。

 現在、中学2年生の篤宏さんは部活などで多忙。「試合に重ならなければ」と前置きした上で、「来年のグランフォンド、一緒に出られたら」の言葉に、修平さんは「ほんとかっ」と満面の笑顔を見せていました。

おすすめのコース
自転車を電車に持ち込み、京都駅へ→(自転車で)清水寺→南禅寺→広沢池→嵐山エリア→自動車やバスが通らない小路を抜ける→ラーメンを食べる→京都駅

みんなの健康

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