コロナ禍でのネオ大河!?
「鎌倉殿の13人」
主演・小栗旬、脚本・三谷幸喜のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。地上波での視聴率は平均点だが、見逃し配信サービスが過去最多視聴を記録し、好調だという。この作品の制作発表が行われたのは、2020年の1月。当初はコロナなんて気にせず考えた内容が、今のご時世、たまたまマッチした。それを象徴しているのが、そのタイトルだ。鎌倉幕府の政務を合議制で運営した13人(重臣)と鎌倉殿(将軍)が、メインのキャスト。つまり多くの登場人物が出演する群像劇といえる。まさに、軽妙な会話やストーリー展開に定評がある三谷幸喜の真骨頂だろう。裏を返せば、ダイナミックな合戦シーンなどがメインではないということだ。それが、昨今の制作費削減への動き、そして密を避けるという意味でも、ぴったりとはまった。また、オープニング・タイトルが短いのにも狙いが。今までの大河なら、3分近くスタッフの名前などが表示されていたが、今作は2分弱に短縮。これで、本編までのテンポが良くなった。素早く、安く、いろいろと。コロナ対応策として、某政治家も見習ってほしいものだ。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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