年月が醸す風情が魅力のリノベ暮らし
題材になったテレビドラマが放映されるなど、注目度が高まるリノベーション。そこで、「マイホームの選択肢」シリーズの第7回では、「リノベーション住宅」に着目します。和歌山県内では珍しいリノベのモデルハウスを手掛けた「三幸建設」(和歌山市狐島)の根来昌生設計部長に、その特徴や魅力について聞きました。
「リノベは既存建物の基礎や柱、梁(はり)、壁面、床などの構造体や建材を生かして改築し、住む人のライフスタイルや好みを反映した住空間をつくり上げることが特徴です」と、根来さんは解説。「水回りの設備交換や壁紙の張り替えなど、マイナスの状態から元に戻すのがリフォームなら、現状に新たな機能や価値をプラスするのがリノベです」と付け加えます。
家づくりのコストが抑えられるのもメリットの一つ。「住みたい場所として人気のエリアは土地が高かったり、土地自体がなかったり…。でも、そのエリア内の中古物件を安く購入して手を加えれば、新築に比べて手ごろに、そして注文住宅のような希望に沿った家づくりがかないます」とも。
リノベの家づくりは新築とは違うノウハウが求められるため、業者選びも要検討。「リノベ物件を多く手掛けている専門業者や建築士、工務店などに依頼するといいですね。古い家屋の基礎や構造に詳しく、自由度の高いつくりが得意な業者なら、暮らしに合わせた間取り変更も可能です」。また、建築基準法などの法的問題や、インスペクション(建物状況調査)についてもアドバイスしてくれる業者がおすすめとのこと。
最後にリノベの家の魅力を尋ねると…。「年月を重ねたからこそ醸し出す風情は、新築では味わえないリノベの家ならでは」と根来さん。「断熱や気密、耐震など最新の性能も整えれば、より快適な住環境が実現しますよ」とも話していました。
和歌山は全国2位の空き家率の高い県(2018年総務省統計局調査)。中古住宅の物件量が多い土地柄から、リノベの家は、今後、和歌山の家づくりで欠かせない存在になるかもしれませんね。
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