土地を売ってから家を建てるから「売建」
一戸建て住宅の種類と特徴を紹介するシリーズ「マイホームの選択肢」。前回は「建売住宅」が登場しましたが、今回は「売建住宅」について。「建売」と「売建」、名称がよく似ていますが、その違いって何でしょうか? 大阪府をはじめ、兵庫県や和歌山県など、広域で分譲住宅を手掛ける「フジ住宅」分譲住宅事業部本社営業部営業2課(大阪府岸和田市)の須左美堅太郎チーフが、その疑問に答えます。
「建売住宅は完成した住宅と土地がセットで販売されます。一方、売建住宅は不動産開発業者などが販売する『建築条件付き土地』を購入してから家を建てます」と、須左美さんは解説します。この「建築条件付き土地」が売建住宅のキーワードで、“条件付き”の名の通り、「土地を販売する会社が指定する施工業者で家を建てる」「施工業者と一定期間内に請負契約を結ぶ」などの決まり事があります。
ここでいう“一定期間”とは、たいていの場合は3カ月の設定が多いそう。「土地の売買契約を交わしたら、3カ月以内に施工業者と家の間取りや仕様などの打ち合わせをして、建築工事請負契約を結ぶ必要があります」。この期間内に建築プランがまとまらず、契約に至らなければ、土地の売買契約も不成立になるので注意が必要です。
ちなみに、建築条件を外して土地だけを購入することは可能なのでしょうか。「販売側としては建物の利益がなくなってしまうので、土地の価格に金額を上乗せするなど、交渉次第で可能なケースもなくはありません」と、須左美さんは説明。
そのほか、売建住宅の特徴として、用意された設計プランの中から希望の間取りや仕様、外装を選べるメリットもあります。「注文住宅のようなオーダーメードはできませんが、リビングを広めに取ったり、和室やシューズクロークを追加したりなど、施工業者によって家づくりの選択肢は広がります」とも話していました。
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