工程管理を徹底し、適正価格が明確
国土交通省が公表する「建築着工統計調査報告」(2021年度計)によると、プレハブ工法の新設住宅着工戸数は11万4282戸で、前年より6・1%増加。また、増加するのは2016年以来5年ぶりになります。数字が示すように、マイホームの候補の一つとして注目を集めるプレハブ住宅ですが、具体的にどのような家なのでしょうか。シリーズの4回目は、「セキスイハイム近畿」和歌山支店(和歌山市栗栖)の和歌山第一グループ長・庄司英弘さんに、その特徴を聞きました。
戸建て住宅の大半は、施工を建築現場で行います。「プレハブ住宅は、柱や屋根、床、壁などの建築部材を工場で生産・加工し、それを建設現場に運んで組み立てて仕上げます」と、庄司さんは解説。ちなみに“プレハブ”はプレファブリケーションの略で、「事前に製造された」という意味だそう。
「プレハブ住宅は工業化住宅とも呼ばれます。その理由は、住宅を“精密度の高い工業製品”として製造しているからです」。ハウスメーカーによって構造や材質は異なりますが、仕様や規格を統一し、工程管理を徹底。大手だからこそできる工法です。また、各社が得意とする最先端の技術が反映され、職人の技能に左右されることなく、品質が均一で高精度・高性能な家づくりを追求できます。「屋内の作業なので天候による部材の傷みや工期の遅れも回避できます」と庄司さん。
「弊社は、鉄骨や木材をフレームとした『ユニット工法』を用いています」とも。箱形のユニット(部屋)に、床や壁、天井、キッチンや浴室の設備部品、配線などを工場で装備し、専用トラックで現地へ搬入。「現場でユニットを連結します。現場の建築期間が短いのが特徴です」と説明します。
気になる建築費用については、「初期費用は一般的な工法と比べて少し値が張りますが、工場生産方式により適正価格が明確。施工に掛かる人件費も大幅に削減できます」とのこと。「標準仕様が長期優良住宅」「アフターケアの充実度」が家づくりの肝になるのは、工業化住宅も同じ。「長く住み続けられる家が、結局お得ですから」と、庄司さんは話していました。
関連キーワード