クラウド・ファンディングで寄付募る
和歌山市動物愛護センター(仮称)
動物の保護と譲渡、来年秋から運用開始
殺処分される犬と猫“ゼロ”を目指して
来年(2019年)秋、和歌山市が、旧和歌山西保健センター跡地(和歌山市松江東)に、飼い主のいない犬や猫の保護や譲渡などを行う「和歌山市動物愛護センター(仮称)」を新設し、運用を開始します。殺処分される犬や猫を減らすのを目的に、新たな飼い主との橋渡しの場所として、その役割りが期待されます。
開設を控え、備品などの充実を図ることで、想定外の事態にも柔軟に対応しようと、現在、自治体のふるさと納税制度を使った「ガバメント・クラウド・ファンディング(GCF)」で寄付を募っています。
同市動物保健班には、これまでにも“保護動物のために寄付をしたい”という声が寄せられいましたが、その受け皿がありませんでした。寄付先を自由に選べるGCFを活用することで、そういった要望にも応えられるようになりました。寄付の期間は8月19日(日)まで、目標額は1800万円としています。
新施設は鉄骨平屋建てで、手術・保護棟と事務棟の2棟を予定しており、防音と防臭機能も完備されます。
施設の主な役割りは、動物の保護と返還、譲渡をはじめ、保健所に保護された動物の不妊・去勢手術の実施。また、敷地内にドッグランを併設して健康管理を行う他、しつけ方教室や愛護教室、避難訓練教室なども開く予定です。同班長の廣岡貴之さんは「ドックランは保護動物専用ですが、イベントは動物を飼っている人向け。地域の人ととの触れ合いも大切にしたいです」と話します。
現在、同市で保護されている犬は7匹、猫は60匹(ボランティアの飼育含む)。廣岡さんは「現在ある保護棟は築50年を越えて老朽化が進んでいます。新施設は動物にとってもより良い環境になります。今まで以上にさまざまな支援策を考えていきます」と力を込めます。
2016年度、同市で殺処分された犬は40匹、猫は258匹。10年前と比べると、犬は4分の1、猫は2分の1まで減っていますが、まだまだ命を絶たざるを得ないのが現状です。同年度には県が地域猫対策支援事業に乗り出して、自治体や地域団体と協力。動物病院で使える地域猫対象の不妊・去勢手術券を発行するなど、飼い主のいない猫を増やさないための対策も進めています。
廣岡さんは「将来的に殺処分ゼロになることは、私たちを含め、動物に関わっている人たちの共通の願いです。その願いを実現するためにもご支援をお願いします」と協力を呼びかけています。
寄付についてはGCFのホームページ(https://www.furusato-tax.jp/gcf/306)から。
同市では毎月、動物の譲渡会も実施しています。
新たな飼い主に! 譲渡会と講習会
日時 | 6月23日(土)午後2時から |
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場所 | 和歌山市保健所(同市吹上) |
内容 | 講習会、資格審査の後、譲渡会(登録手数料3000円) ※予約不要 |
問い合わせ | tel.073(488)5114 県和歌山市保健所生活保健課動物保健班 |
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