見慣れた街が、鑑賞後は
いつもと違う風景に見えてくる
全編和歌山県内で撮影された映画「Threads of Blue(スレッズ・オブ・ブルー)」が現在公開中。
山道での交通事故で家族を失う悪夢から目を覚ましたエン(縁)は、不吉な予感に襲われます。その理由は、数日後に予定している家族旅行の行き先が、夢で見た避暑地の山だったから。エンは旅行をやめさせようと父を説得しますが、父は聞く耳を持ちませんでした。そんな中エンは、同じマンションの住人である百合子に、夢で見た事故はすでに起こった出来事だと告げられ…。
30分ごとに展開が変わる、サイコスリラー。人の記憶にまつわるストーリーが描かれます。脚本・監督・編集を務めたのは、宗野賢一。留学先のアメリカで映画を撮り始め、現地の映画祭などで作品が好評を博し、以降も精力的に映画を制作。現在、「科捜研の女」「刑事7人」などのテレビドラマの監督としても活躍しています。主演は、蜷川幸雄さん演出の舞台「日の浦姫物語」で娘役としてデビューし、「架空OL日記」「死刑にいたる病」など数々の作品に出演している佐藤怜(りょう)。
9月25日に、スーパーセンターオークワ・パームシティ和歌山店(和歌山市中野)で記者会見が行われました。宗野さんが登壇し、主演の佐藤さんがリモートで参加しました。
今回のロケ地となったのは、和歌山市のじゃんじゃん横丁やぶらくり丁、日高町や御坊市など。和歌山の魅力について宗野監督は、「山、川、海に、いろいろな物がまとまっていて、不思議な一体感がある街。特に気に入ったのが、緑に囲まれた職員住宅。脚本のイメージにぴったりの場所でした」と。佐藤さんは、「劇場のシーンで振り付けを担当してくれた、りら創造芸術高等学校の学生さんたちにパワーをもらいました。地元の人と一緒に映画づくりができて、とてもうれしかったです。ちょっと閉塞(へいそく)的な内容の映画ですが、映像には和歌山の魅力が詰まっているので、ぜひ皆さんに見てほしいです」とコメント。また、宗野監督は「劇中に、地元の皆さんがよく知っている場所がたくさん登場します。主人公が記憶を探っていくというストーリーを追う中で、見慣れた街がいつもとはちょっと違って見えてくる。そんな楽しみ方ができる映画です」と話してくれました。
映画は、ジストシネマ和歌山(和歌山市松江)のサロンシネマで、10月12日(木)まで上映予定。その他の上映情報はホームページ(https://threads-of-blue.com/)へ。
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