エビぷりぷりはNG!?
難しい食の表現技術
食欲の秋。個人的には、番組のお店探しに日々食べ歩き、おなかのぜい肉も育っている秋だ。この時、会議用にと食レポを自分の脳内でやるのだが、まあ難しい。これは、食レポタレントたち共通の悩みでもある。「ウマい」以外の表現がなかなか出ない。例え「エビがぷりぷり」「パンがもちもち」といった擬音語・擬態語を多用しても、他の表現が無いのかと言われたり…。このとき役立つのが「味の宝石箱や~」「まいう~」などの決め言葉。そのフレーズを考えた人だけが使える特権だ。また言葉でなく、笑顔などジャスチャーでおいしさを表現する人も。中でも、“間”で表現する達人が、落語家で人間国宝の故・桂米朝さん。聞いた話だが、一口食べると、すぐに感想を言わず、じっくりかみしめ一言「…良いお味です」。この間と情感で、滋味深い表現をしたのだとか。さすが人間国宝。何事も“間”が大切。すぐ“間”を埋めようとする今のグルメ番組も、おいしそうな映像と音だけでいいのでは。そうすれば、「エビがぷりぷり」なんて表現は、極力少なくて済むはずだ。
テレビのツムジ 関西の放送作家がバッサリ!
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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