なりっちの0歳パパを育てよう「主人と呼ばれたいですか?」
- 2018/7/5
- 子育て・教育
- なりっちの0歳パパを育てよう, 過去の人気連載コラム
30年で妻は強く、したたかに 夫は弱くなった
B子が「父の日のプレゼント、何を贈るの?」と聞くのです。私と夫、両方の父は他界してすでにいませんから、彼女は夫に何をプレゼントするのかと聞いているわけです。なので、「彼は私の父親ではありません」と言うと、「そういうとこ、昔からこだわるよね。私が結婚したてのころも、『主人が』と言うたびに拒絶反応を起こして、『夫』と修正してきたもんね」と笑います。
確かに、当時の私は(今も?)「妻にとって夫は主人ではない。妻は夫に雇われているわけではない」と、とんがっていました。世間の夫たちが、主人と呼ばれて優越感に浸り、それに反して妻を「愚妻」や「悪妻」と謙遜して呼ぶ風潮が嫌だったのです。男性を立てることが美徳とされる男尊女卑の社会にモヤモヤしていました。
そんな私を後輩のM子は、「なんでそんなことにこだわるんですかね。たかが呼び名じゃないですか。呼んでほしければ『殿』でも『ご主人さま』でも『大将』でも、呼んであげればいいじゃないですか。それで何が変わるわけでもないのに、しょうむない」と笑い飛ばします。
新聞に、家庭で最も決定権を持っている人を「妻」と答えた夫婦が30.3%で過去最高となり、「夫」と答えた人は、30年前の72.4%から38.7%にまで下がって過去最低になったとの調査結果が出ていました。「働く女性の増加を背景に夫婦の力関係が大きく変化し、家庭での決定権が夫から妻にシフトしている」と記事は伝えています。この30年の間で妻は強く、夫は弱くなった。亭主関白は消えていくのだと。特に30代以下の夫婦では妻の決定権が夫を上回ったそうです!
M子たちのように、呼び名ごときに振り回されない、たおやかな生き方はなかなかいいなと思います。第一、子どもが生まれた途端に、主人は「パパ」という親しみやすい呼び方をされるようになるのです。そして、この呼び方を嫌う人は誰もいません。
名前 | なりきよ ようこ |
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プロフィル | 絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表 |